●創造的思考は発散と収束により思考をジャンプさせる方法
ここで創造的思考について、簡単にご紹介しましょう。原則は3つあります。1つ目は「手で考える」こと。2つ目が「体感覚→視覚→言語」という思考の順番。3つ目が「クリエイティブテンション」になります。
創造的思考、クリエイティブとは何か。皆さん、なんとなくイメージでは分かると思うんですが、あえてここで定義をすると、「新たな発想をするために、発散と収束のプロセスを繰り返すことで、思考をジャンプさせる思考法」ということです。これが創造的思考です。
皆さんのいわゆる通常の業務だと、何かの情報があって、ワークフローがあって、ワークフローがあることで、安定してアウトプットを作っていく、というものが当たり前と思います。これは、いわゆる「再現可能性」を上げていくことを大事にした、科学的な働き方になるのですが、こういうワークフローとかマニュアルをベースとした仕事のやり方では、構造的に新しいものが生まれてくるということは起こり得ません。
一方、創造的思考はインプットをしたものに対してジャンプをします。情報をいっぱい集めて、それをバラバラにして組み替え、最後はアウトプットとして落と込んでいく。こうしたダイヤモンド型の思考になることによって、「突然変異」を生んでいく。そのための思考法ですので、通常の業務と創造的思考は、ジャンプを生むか、ジャンプを生まないで安定的な思考をするかという意味で、全然違うものになります。
これをイメージしたのがスライドの図です。創造的思考のプロセスは、基本として「非線形」といわれますが、「AだったらB」というようなことにはならないのです。最初は何か「やりたいことがある」という動機からスタートして、グルグルグルと手で動かしながら、あるいはもやもやしながらも模索し遊んで考えていく中で、だんだんとシンプルなコンセプトが見えてきて、ある程度見えてきたら、焦点を合わせて具体的に落と込んでいく。そのような思考法になります。特に前段のところでは、いろいろな試行錯誤をしてみる、むしろ無駄打ちしてみる、遊んでみる、そういうことが大事です。