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「余白」を作るために鍵となる「ビジョンのアトリエ」とは

ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(3)「余白」の作り方

佐宗邦威
戦略デザインファームBIOTOPE 代表
概要・テキスト
あなたは今、何割の時間を「じぶんモード」で生きているでしょうか。気づけば「他人モード」ばかりで、「じぶんモード」が非常に少ないのが今の時代の特徴であると佐宗氏は言う。そこで今回は、「じぶんモード」にフォーカスし、ビジョンを形にしていくファーストステップとして、「余白」の作り方、その具体化の方法について、ステップごとに指南する。(全8話中第3話)
≪全文≫

●気づけば「他人モード」ばかりで、「じぶんモード」が非常に少ない


 では始めますが、第一部として「余白」というテーマからいきたいと思います。

 「先のことを考えている暇がない」、これは忙しい現代の中で多くの人が感じている課題だと思います。そこで出てくるキーワードが「余白」になります。

 “あなたは、今、何割の時間を「じぶんモード」で生きているでしょうか”

 毎日朝起きて、例えばスマホを見て、そこから(今でいうとテレワークかもしれませんが)通勤をしたり、ZoomミーティングやTeamsのミーティングに参加したり、いろいろな書類のやりとりをしたりして、仕事が終わって帰ってきて、それからまたスマホを見て、もしくは子育てをして、そのようにして過ごしていく日常の中で、皆さん自身が、皆さん自身から生まれるやりたいことにアクセスしている時間はどのくらいあるのか、というのがこの言葉のポイントになります。

 スライドに「他人モード」「じぶんモード」と書いているのですが、「他人モード」は例えば、部署で決められた仕事をやっているとか、自分が惰性で見ているSNSのいいねとかシェアを見ているとか、何気なくつけたTVのニュースを見ているとか、とりあえず付き合いで飲みに参加しているなど。これらはいずれも、ある種受け身の情報ですね。他の人を起点として出てきた情報に対して、自分が何かしらリアクションをしている。これが「他人モード」です。

 それに対して、「じぶんモード」は、とりあえず空白の時間があったときに自分はこれをやっていると楽しいという趣味の時間とか、あえて自分の内面に向き合ってみようという、瞑想してみたり日記を書いてみたりする時間とか、誰にも求められていないのに「こういうプロジェクトをやっている」というマイプロジェクト(マイプロ)とか(あるいは副業とかもそれに当たるかもしれません)、会社の中でも自分自身で作った仕事とか、誰にもあるいは上司からも言われていないのに、自分自身で立ち上げた仕事とか。このあたりは「じぶんモード」です。

 こうなったときに、私たちは情報爆発の世の中で生きているので、ほとんどの時間は、実は他人が発信した情報をもとに自分がリアクションしています。そうすると、気づけば他人のやりたいことで自分の中がいっぱいになっていて、自...
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