ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
現実性を考えてしまうという妄想力の課題をどう克服するか
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(5)動機にアクセスする妄想力
経営ビジネス
佐宗邦威(戦略デザインファームBIOTOPE 代表)
ビジョン思考の4つのサイクル「妄想・知覚・組替・表現」のうち、今回は自分のうちから湧き出る動機にアクセスする妄想力をいかに鍛え、実践していくかを解説する。妄想力の課題は、私たちがついつい現実性を考えてしまうところにある。ではその課題をどう乗り越えて、思考を飛ばしていけるのか。VISION-DrivenとISSUE-Driven、指数関数的思考と線形思考の対比、Moonshotなど、重要な考え方を提示しながら論じていく。(全8話中第5話)
時間:11分51秒
収録日:2020年11月4日
追加日:2020年12月21日
≪全文≫

●妄想力の課題はついつい現実性を考えてしまうこと


 ではこれから、「妄想・知覚・組替・表現」の4つのステップについてそれぞれ紹介していきたいと思います。1個目が、自分の内から湧き出る動機にアクセスする妄想力です。

 妄想する力の課題は、私たちがついつい現実性を考えてしまうというところです。

 ここから思考をどう飛ばしていけるのかということなのですが、キーワードは妄想だと思います。妄想とは、自らがまず「やりたい」と心から思える原動力で、しかも今の段階では現実性がないものです。

 「それって単なる妄想なのだけどね…」みたいな言葉をよく日常で語ると思うのですが、私たちは日常生活の中であまり妄想について話さないですよね。特に、ビジネスの現場でそれを話すのは、比較的タブー視されていると思います。

 日本人はある種謙虚な生き物なので、ちゃんとできるという確信がないとなかなか話さないという特徴があります。私が海外に留学をしていた時、いろいろな世界のビジョナリーな人と会いました。彼らに共通した特徴は、将来こんなことできたら面白いよねという、いってみれば妄想レベルの話を日常会話でしているところでした。

 以前にU理論を提唱したMIT(マサチューセッツ工科大学)教授のオットー・シャーマン先生と話をした時に、以下のような話がありました。

 日本人は何重にも防御壁を張っているので、絶対に失敗しないことを言おうとする。そうすると、日本人がこれをやりたいと言ってきたものは、アメリカ人だと具体的にできる企画くらいに落とし込んでいるものが多い。そう言っていたのですが、その時、逆に私たちはもっと大きな構想を日常的に語ってもいいのだなと思いました。


●VISION-DrivenとISSUE-Drivenの違い


 時あたかも、こういう考え方が最近出てきています。VISION-DrivenとISSUE-Drivenです。これはそれぞれ、ある世の中の課題、つまりマイナスをゼロにする思考法(ISSUE-Driven)と、こういうような社会であったらいいなから逆算して、それをどう実現するといいか考える、ゼロとプラスのギャップを埋めるという思考法(VISION-Driven)です。

 スライドの下側(ISSUE-Driven)がいわゆるユーザ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
片山杜秀
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子