「アメリカの教会」でわかる米国の本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
法の支配があるから自由がある…信仰の自由と政治の基本
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(5)成文憲法・自由・人権・法の支配
橋爪大三郎(社会学者/東京科学大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
植民地だったアメリカは、イングランド国王から独立するため、政府をつくり大統領を立てて独立戦争に臨んだ。そこで必要になったのがアメリカの基本的な考え方を書いた契約書で、それが成文憲法である。そこには条件があり、一番大事なものとして「自由」、特に「信仰の自由」が守られる限りにおいて法に従う(法の支配)と明記されている。では「法の支配」とは何か。信仰の自由をはじめとする「人権」(自然権)がわからないと、その真の意味は見えてこない。アメリカの宗教が、近代国家の成立にいかに大きな影響を与えたのか。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:17分48秒
収録日:2022年11月4日
追加日:2023年2月3日
≪全文≫

●「神の意思に合致する」ための社会づくりとしてのアメリカ史


―― 続きまして、アメリカにおけるプロテスタントのあり方と現代社会について深掘りしたいと思います。先生がアメリカの特徴としてお書きになっている中の一つとして、成文憲法(文章の形の憲法)をつくり、世界で唯一、政府および政府とは無関係ないくつもの教会があるような組み合わせの社会をつくった、とありました。このことの意味は、どのようになるのでしょうか。

橋爪 まず、プロテスタントの特徴は、神の支配を認めている、信じているということです。神がこの世界を創り、イエス・キリストが人びとを救いにやってきて福音を伝えたから聖書が残っています。そして、天に昇っていくが、やがてまたやってきて最後の審判を行ない、神の王国というものが造られます。神の王国を神が造っているときには、もう人間の出番はないですね。

―― はい。

橋爪 ただ、神の主権というものが本当に実現するイエス・キリストの再臨までの間、地上には神がいません。

―― はい。

橋爪 では、どうしたらいいのだろう。どうしたら神の意思にかなうのだろう。その間、人間は自分たちのことを何でもしないといけないのですが、勝手をするわけにはいかない。神の意思に合致するように、政治でも経済でも何でも実行しなくてはいけない。こう思うところから、アメリカというものができます。

 一番大事なのは政府のつくり方なのですが、それまで政府はイングランドの政府で、イングランド国王がアメリカ植民地を統治していたわけです。これはしょうがないというので、認めていたわけです。神がいて、神がイングランド国王を国王にしたのであれば、イングランド国王に従うのはキリスト教徒の義務であるという考え方です。しかし、イングランド国王があまりといえばあまりな非道を行なったので、私たちはイングランド国王から独立しますということで、独立戦争が始まります。

―― はい。


●成文憲法ができるための条件、すなわち「自由」


橋爪 独立戦争をするには自分たちの政府が必要。そこで独立宣言を行ない、州の代表が集まる。戦争をするのには総指揮官が必要だから、大統領(プレジデント)をジョージ・ワシントンに頼む。彼が、「ユナイテッド・ステーツ(United States)」という州の連合を率いて戦っていく。

 さて、戦争に勝った後はどうなる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
インフレの行方…歴史から将来を予測する(5)トルコ化の可能性と円安の要因
年率80%を超えるインフレ!…日本は「トルコ化」するか?
養田功一郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史