「アメリカの教会」でわかる米国の本質
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カトリックとプロテスタントの違いは?「救済予定説」とは?
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(2)プロテスタントと「予定説」
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
日本人の中には、そもそもカトリックとプロテスタントの「一番の違い」がどこかも、よくわからない人が多い。さらに「誰が救われて、誰が救われないのかは、予め神様が決めている」という、プロテスタント(特にカルヴァン派)の「救済予定説」は、まことに理解が難しい。さらに言えば、この「救済予定説」と、親鸞の「悪人正機説」はどのように違うのだろうか。これらのことについて、わかりやすい例を挙げながら解説していく。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分32秒
収録日:2022年11月4日
追加日:2023年1月13日
≪全文≫

●カトリックとプロテスタントは何が違うか


―― 今回、先生に最初におうかがいしたいのですが、日本人の場合、プロテスタンティズムの考え方を肌で理解するのは、なかなか難しいと感じています。特にカルヴァンの予定説のような話はどういうことなのだろうということがあります。そのあたりはいかがでしょうか。

橋爪 プロテスタントというものがあるのが、キリスト教の特徴ですね。宗教改革があったからプロテスタントが出てきたわけで、その前はカトリックだった。もう一つ、東方正教会というものもありますが、時間の都合で省略して、カトリックとプロテスタントの話だけします。

―― はい。

橋爪 まず、カトリックもプロテスタントも一神教のキリスト教です。一神教のキリスト教の原則は、「神(God)が、一人いる」。そのGodがとても大事です。「Godに従いましょう」「Godを信じましょう」となるわけで、ここのところはカトリックもプロテスタントも同じです。

 では、意見が違うのはどこなのか。キリスト教の場合、神の子(救い主、イエス・キリスト)という存在がいます。この人は神の全権代理人として生まれ、十字架にかかって人びとを救おうと思い、その通りに救って死んでいく。そして復活し、天に昇り、「また、後で来る」と言った、という話になっています。だから、Godを信じるのはイエス・キリストを信じることで、ここもプロテスタントとカトリックで同じです。

 どこが違うかというと、イエス・キリストが天に昇ってしまった後、また来るまでの間、どうすればいいか。ここが違うわけです。


●教会はGodに「口利き」ができるのか、できないのか


橋爪 カトリック教会は、次のように言います。

 イエス・キリストの一番弟子にペテロがいて、ペテロは天国の鍵を預かって、「教会を建てなさい」と言われたから教会を建てました。ペテロの後、代々の後継者がいて、それがローマに陣取っている「教皇(法王、Pope)」です。

 彼が何をするかというと、イエスに代わって人びとを救う。本当に救うことはイエスにしかできないけれども、「この人を救ってくれませんか」と、口利きをするわけです。この口利きのことを「執り成し」といいます。そういう権限が教会にはあります。

 だから、教会につながっていないとイエスに許してもらえず、救われない。教会とのつながりを断ち切られてしま...

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