小林秀雄から福田和也まで、日本の文芸批評史を俯瞰する 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(1)曖昧になった日本人の「自然」 追加日:2024/06/16 前近代と近代、戦前と戦後といった社会の転換期において、日本人の精神的な拠り所には大きな「ズレ」が生じていた。それを指摘し、そのズレを縫合する方法を模索したのが小林秀雄や吉本隆明といった文芸批評家である。彼らの議論を端... 70年代以降の大衆化、根こそぎ変わった日本人の「自然観」 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(2)日本人の「自然観」の変質 追加日:2024/06/23 日本人の「自然観」はなぜ変質してしまったのか。この問いに対して、1970年代以降の「大衆化」が決定的だったという浜崎氏。いったいどういうことなのか。1960年代の安保闘争や高度経済成長を経て大きく変化を遂げた日本の社会構造と... 『大衆の反逆』でオルテガが指摘した「大衆化」の問題とは 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(3)「大衆化」とは何か 追加日:2024/06/30 1970年代、高度経済成長を迎えた日本の自然観は、大きく変容していった。社会が消費社会化することで起こる人々の精神的な変化を、日本に先んじて20世紀初頭に経験したヨーロッパにおいて、それを「大衆化」の問題として指摘したのが... 「一匹と九十九匹と」…政治と文学の関係を問うた福田恆存 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(4)福田恆存とは誰か? 追加日:2024/07/07 福田恆存とはいったい誰なのか。消費社会化した日本の「大衆化」の問題を指摘し、また大きな業績の1つとして『シェイクスピア全集』を全て翻訳した福田恆存の思想に迫る前段として、彼の生涯、その人物像を確認しておきたい。下町で育... 福田恆存の思想の根幹にあるロレンスの『黙示録論』とは 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(5)ロレンス『黙示録論』と人を愛する道 追加日:2024/07/14 戦時下にあってロレンスの『黙示録論』を翻訳し、戦後にはその出版にこぎつけた福田恆存は、同書から思想的に大きな影響を受けていた。近代化によって個人主義と全体主義の板挟みとなった人間は、どのようにして他者との愛を育む契機... 自由とは奴隷の思想ではないか…福田恆存の人間論とは 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(6)福田恆存の人間論――演戯と自然 追加日:2024/07/21 ロレンスの『黙示録論』を通じて、日本人の依拠すべき自然観を模索した福田恆存。その思考は、演戯と自然が日本人の宿命感をもたらすという独自の人間論に結実する。「醒めつつ踊り、踊りつつ醒める」という演戯とは何か、また、そこ... 宮本武蔵「我事に於て後悔せず」の真意と小林秀雄の自然観 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(7)日本人の「自然観」 追加日:2024/07/28 歴史や自然につながっていない人格は崩壊する。そう論じた福田恆存の人間論は、小林秀雄の自然観と軌を一にする。禅宗の修行や宮本武蔵の思想を参照しながら日本人が依拠すべき自然観を論じる小林の議論を追い、福田との共通点を探る... 福田恆存「快楽と幸福」から読み解く日本人の流儀 福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(8)幸福論へ――日本人の流儀に向けて 追加日:2024/08/04 日本の固有の歴史や自然につながっていることが、日本人にとって重要だと論じた福田恆存。その人間論は日本人の「幸福」のためにこそ必要とされる。ポストモダニズムとネオ・リベラリズム、そしてグローバリズムが加速する中で失われ...
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題 追加日:2023/08/15 日本の文芸批評に大きな足跡を残した人物といえば、戦前の小林秀雄と戦後の吉本隆明の2人が挙げられる。そして、日本が近代の激動の時代を乗り越えていく中で、文学はその狭間を生きる人々にとって心の支柱となった。今回から7回にわ... 小林秀雄をより深く理解するための「近代日本小史」 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(2)なぜ「批評」は昭和初期に登場するのか 追加日:2023/08/22 日本は明治維新によって西洋近代化へと大きく舵を切るが、それは大きな矛盾を抱えた大改革だった。そして「和魂洋才」という言葉が象徴するように、日本の国体主義と西洋の資本主義を両輪に推し進めた結果、経済は発展していった一方... デビュー論文「様々なる意匠」小林秀雄の試みと直観の真意 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(3)小林秀雄の批評 追加日:2023/08/29 大正から昭和初期にかけて起きた戦争景気、関東大震災、昭和恐慌など時代の荒波は、日本国民の心に多くの影響を与えた。そうした中、昭和4(1927)年に「様々なる意匠」という論文で文壇にデビューした小林秀雄は、これらの人々の内的... 吉本隆明の思想を凝縮した敗戦時20歳の回想「戦争と世代」 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(4)純粋戦中世代の葛藤―吉本隆明の「起点」 追加日:2023/09/05 「戦後最大の思想家」ともいわれる吉本隆明について考える第4話。伝統を重視する小林秀雄を保守と捉えるならば、吉本隆明は新左翼を肯定する左派のイメージが強いが、実際は異なる。そこで、まずは純粋戦中世代である吉本隆明の遍歴時... なぜ吉本隆明は60年安保の時に進歩的知識人を批判したのか 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(5)吉本隆明の思想――大衆の原像と対幻想 追加日:2023/09/12 大衆の原像と対幻想――これは「戦後最大の思想家」といわれる吉本隆明の象徴的ともいえる言葉だが、いったいどのような思想にもとづくものなのか。今回は、吉本隆明の思想を初期から中期、そして後期とたどりながら、この2つの言葉につ... 江藤淳と柄谷行人、1960年代に彼らが感じた焦燥感とは 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(6)小林・吉本以降の批評:江藤淳と柄谷行人 追加日:2023/09/19 小林秀雄と吉本隆明以降の批評家にはどのような人物がいるのか。時代背景としては1960年代、つまり60年安保闘争から高度経済成長期ということになるが、この時期の批評家で代表的な人物といえば、江藤淳と柄谷行人ではないだろうか。... 小林秀雄“最後の弟子”福田恆存の言葉と日本人の「自然」 小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(7)改めて問われる、日本人の「自然」 追加日:2023/09/26 小林秀雄が「伝統」と「直感」、吉本隆明が「大衆の原像」と「対幻想」という言葉でそれぞれ論考している“日本人の「自然」”。戦前・戦後を越え、昭和から平成へと向かう中、ニーチェから始まるポスト・モダニズムが堕落し、2000年代...
近いテーマの講師一覧 與那覇潤 評論家 本村凌二 東京大学名誉教授文学博士 板東洋介 東京大学大学院人文社会系研究科 准教授 福井義高 青山学院大学 大学院国際マネジメント研究科 教授 納富信留 東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・文学部部長・教授 齋藤純一 早稲田大学政治経済学術院政治経済学部教授 堀口茉純 歴史作家江戸風俗研究家 藤田一照 曹洞宗僧侶 安井裕雄 三菱一号館美術館 上席学芸員