福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
福田恆存「快楽と幸福」から読み解く日本人の流儀
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(8)幸福論へ――日本人の流儀に向けて
浜崎洋介(文芸批評家/ 京都大学経営管理大学院特定准教授)
日本の固有の歴史や自然につながっていることが、日本人にとって重要だと論じた福田恆存。その人間論は日本人の「幸福」のためにこそ必要とされる。ポストモダニズムとネオ・リベラリズム、そしてグローバリズムが加速する中で失われてきた日本人の流儀、その自然観を取り戻し、幸福へと至る方途を、福田恆存の「快楽と幸福」を読み解きながら受け取ろう。(全8話中第8話)
時間:14分04秒
収録日:2024年5月10日
追加日:2024年8月4日
≪全文≫

●なぜ私たちは「自然」を見失い、自信を失くしたのか


 ということで、続けてやっていきましょう。

 日本人の自然観、それを先ほど(第7話で)申し上げましたが、自然観とだけいうと、宙に浮いている感じもしないではない。もっというと、日本人の自然観がどこかにあって、それを取り戻してくる。取り戻すという表現はしましたが、何か物があって、それを取り戻してくればいいのだという感じになってしまうので、そうではないのだということを最後に申し上げて、この講義を締めておこうかと思います。

 幸福論です。それに向けて、私たちはその自然観を、まさに応用していく必要があるわけです。もっというと、日本人の自然がなぜ大事なのかというと、これは徳目ではないのです。私たちのプラグマティックな幸福のためには、どうしたってそれがいるだろうという話なのです。そういう意味で、日本人の流儀、それもまた幸福論と関係させながら、生き方論と関係させながら語る必要があるのではないかと思います。

 さて、そういう意味でいうと、これは現代に少し戻ってこようかと思うのですが、まさにこの自然観、幸福論、あるいは、日本人の流儀、これが全部根こそぎなくなってきたのが、この30年あるいは40年だったのではないかと思わされるわけです。

 少しだけ復習ということになりますが、1970年代から1980年代まで、高度経済成長とバブル期を経て、何が出てきたかというと、特に1980年代から1990年代ということになりますが、ポストモダニズムという思想とネオ・リベラリズムという思想が出てくるのです。

 ポストモダニズムというのは、本当に簡単にいっておきましょう。進歩主義がなくなったということです。全て出来上がったので、つまり、高度経済成長で終わってしまったので、成熟社会になって、大きな物語、つまり、大きな目標がなくなりましたというのがポストモダニズムです。なので、あと物語があるとしたら、小さな物語だけだということです。なので、AさんがAと言い、BさんがBと言い、CさんがCと言う。それでいいのではないか、という話です。

 なので、ある意味、相対主義に流れるのです。相対主義に流れたときに、そうはいったって、社会は動きますから、そのときに価値とは何という問いが出るのです。そこに差し込まれたのが何か。これがネオ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
高市政権の進むべき道…可能性と課題(4)外交力と防衛力の強化へ
求められる「能動的サイバー防御」、問われる本物の外交力
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(2)吉田昌郎所長の機転と決断
なぜ部下たちは「吉田昌郎所長となら死ねる」と語ったのか
門田隆将
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
インフレの行方…歴史から将来を予測する(4)10年後の物価…5つのシナリオ
5つのシナリオ分析…10年後の日本の物価水準はどうなる?
養田功一郎