「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
三人よれば文殊の知恵!? 重要思考で大事な「決める」技術
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(3)「決める」技術(前編)
三谷宏治(KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授)
「重要思考」で大事な「決める」には、高くそびえたつ「2つの壁」がある。心の壁と技の壁の2つだが、「重要思考」によって考え、伝え、聴き、そして伝え合う先に待ち受けている「決める」局面において、それらの壁を乗り越える必要に迫られる。そこで今回はサバイバルゲームを用いた取り組みなどから、個人で、あるいは他者と協調して意思決定をするための方法を学んでいく。(全4話中第3話)
時間:14分11秒
収録日:2023年10月6日
追加日:2024年2月7日
≪全文≫

●「決める」には、高くそびえたつ「2つの壁」がある


 では、『伝える技術』の3つ目です。今度は「決める」ということにいきましょう。

 重要思考で考え、伝え、聴き、そして伝え合う。それによってはじめて決めるということができていきます。

 決めることには2種類あります。まずは自分で決める、個人としての意思決定です。そして、伝え合って、話し合って、みんなで決める、集団としての意思決定です。同じようなところもありますが、まったく違う部分もあります。でも、残念ながらわれわれはけっこう苦手です。

 (そして)2つの壁があります。まずは心の壁です。正確にいうと、その壁をよじ登る必要がありません。決めなくていいのです。「そうだよね」と言っていれば、だいたい物事はすぎていきます。

 世の中に出ると「ほうれんそう」という便利な言葉があります。報告・連絡・相談、社会人の基本だといって叩き込まれます。でも、報告、連絡はともかく、相談って何なのでしょうか。上司が部下に対して「おまえ、必ず相談しろ」ということは、「おまえは決めるな」と言っていることと同じです。相談をしに来る子ども、もしくは部下はかわいいので、親は、そして上司はそれに対して、こうすればお父さんお母さんはあなたに反対しないよという、事実上の答えを与えます。「アドバイス」という名前での答えなのです。

 いくら相談しに行っても、よりよい答えが返ってくるので、子どもはそのうち面倒くさくなって、「こうしたいのだけれど」という相談ではなくて、「どうしたらいいかなあ」という相談に変わります。何も考えていません。何も決めていません。親はうれしいので、またいろいろと調べて考えて、「こうしたらいいのではないの」という答えを与えます。決める必要がありません。

 ちなみに最近、「ほうれんそうを徹底しろ」と言い続けると、どんどん部下が考えなくなるということに気がついた会社がいくつかあって、社内では、少なくとも上から「ほうれんそう」を求めることは禁止だとしているような過激な会社が何社かあります。

 そして、そういう会社での上司の役割は何かといったら、お客さんに謝ることだったそうです。どうせ失敗します。でも、失敗...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(2)民意は本当に反映すべきか
デモクラシーとエリート主義の限界…立憲主義と共和主義
齋藤純一
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
医療から考える国家安全保障上の脅威(1)「非対称兵器」という新たな脅威
フェンタニルの麻薬中毒も意図的な戦略?非対称兵器の脅威
山口芳裕