「研究開発型ベンチャー」成功の条件
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
イノベーションのためには社会全体として育てる意識が必要
「研究開発型ベンチャー」成功の条件(3)育てる意識の重要性
片岡一則(ナノ医療イノベーションセンター センター長/東京大学名誉教授)
欧米のようにベンチャー企業やスタートアップが活躍するにはどうすれば良いのか。それには、企業や個人単位の利益を考えるのではなく、社会全体の成長を見据えた意識を持つことが必要である。アメリカ社会の特徴から起業を取り巻く社会のあるべき姿を考える。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:5分27秒
収録日:2021年5月12日
追加日:2021年8月28日
≪全文≫

●起業を活性化するための社会意識


―― ベンチャーに関する最後の質問でお聞きしたいのが、ベンチャーが活発な社会にしていくために、特に日本における国や政策でこういうものは障害になる、あるいはこういうものがあったら良いということはありますか。

片岡 やはり世の中にイノベーションを起こすには、ある目的に対して集中して、それを世の中のあるところまで持ってくる事業体や企業、ビジネスの重要性をみんなが意識しないとダメだと思います。つまり、育てる意識がないと難しいでしょう。

 規模の大きな企業が、自分のところでやるのは大変だから、つまり自分のやっていることのアウトソーシングでベンチャーがあるという考えでやっていると、世の中は変わりません。

 私も若い時からアメリカの企業と共同研究などをやっていたので、育てる意識は結構ありました。

―― そうなのですね。意外とアメリカにはそのあたりの意識は乏しいのかなと思っていました。アメリカの企業のほうが育てる意識があるのですか。

片岡 大企業としてやることと、ベンチャー企業がやることをきちんと分けて考えています。間違っても、ベンチャー企業で成長してうまくいきそうなところにあとから資金力で参入して、つぶしてしまうというのは絶対やらないですね。それはやってはいけません。

―― そこは一種、騎士道というと変ですが、やはり事業の姿勢としてそういうものを持っているかどうかが大事だということですね。


●社会全体の成長のために必要なモラルとは


片岡 つまり、社会が成長していくためにはそういうものが必要であり、そういうものを育てていく意識を経営者として持つべきではないでしょうか。日本の場合、そこまで誰もがきちんと考えているのかというと、私は少し疑問を感じます。

―― なるほど。スタートアップ企業が非常に増えている中だからこそ、社会全体としても、そういう企業をどのように見ていけば良いのか、どう育てていけば良いかを総合的に考えていかないといけません。そうしないと、やっている人たちがつらい局面になっていきかねません。

片岡 そうですね。自分たちでやるより、単なるアウトソーシングのほうが人を雇わなくていいから便利です。自分たちでやろうすると、人を雇わなければなりません。だけど他でやっているのであれば、それを買ってきてしまえば良い。ただ、買って...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
億万長者への道(1)お米屋さんから不動産業界へ
「背広を着てビジネスがしたい」との思いから宅建取得
高橋誠一
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
プロジェクトマネジメントの基本(3)プロジェクトのすすめ方
PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方
大塚有希子
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
生成AI「Round 2」への向き合い方(2)ハードで動くCopilot
Microsoft Copilotの革新性…想像がつかない世界に
渡辺宣彦
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄