「研究開発型ベンチャー」成功の条件
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本とアメリカのベンチャーキャピタルはどう違うのか
「研究開発型ベンチャー」成功の条件(2)動機とスピード
経営ビジネス
片岡一則(ナノ医療イノベーションセンター センター長/東京大学名誉教授)
日本でもベンチャー企業の数や投資額は急速に増えている。しかし、欧米と比較すると、その市場規模はまだまだ小さい。アメリカのシリコンバレーやボストンのような、有名スタートアップ地区を生み出すにはどうしたらいいのか。また、これから新しくビジネスを立ち上げる際に注意すべき点や必要な視点とは何か。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分49秒
収録日:2021年5月12日
追加日:2021年8月21日
≪全文≫

●日米のベンチャーキャピタルの違い


―― 日本の特性についてお聞きします。ひと昔前は、日本だとなかなかベンチャーをやりづらい、欧米、特にアメリカと比べると身動きが取りづらいという話を聞きました。先生は実際に関わってみて、日本のメリット・デメリットや、どのあたりを直すとより良くなると思いますか。

片岡 われわれが創業したのは1996年で、ずいぶん昔です。その頃に比べると日本の中でのベンチャーの数、ベンチャーの投資額は飛躍的に上がっていると思います。世の中のいわゆるベンチャーやスタートアップに対する見方もずいぶん変わってきたと思います。やはりこれは世界的に見ると、スタートアップ技術を取り入れたほうが結果的にうまくいっている会社が多いことが理由だと思います。それを見てきているだけに、比較的大きな企業の、ベンチャーに対する理解度が上がっているというのはあるのではないでしょうか。

 ただ、そうはいっても、やはり欧米に比べて、ベンチャーキャピタルの資金量は本当に桁違いに少ないと思います。ITベンチャーなどは比較的資金量が少なくてもできますが、バイオベンチャーや、ものづくりベンチャーになってくると、短期間に多くの資金を集めてくるのは簡単なことではないと思います。

 ですから、ナノキャリア(現・ナノMRNA)も開発資金のかなりの部分は海外で、海外の投資家からの投資だと思います。国内だけではありません。国内だけの投資ではとてもできないからです。

 でも逆にいうと、こういう創薬やものづくりに関しては皆そうですが、もう国境はありません。だから日本発のベンチャーがずっと日本でやる必然性はあまりないのではないかと思います。

―― なるほど。

片岡 われわれはまた別のベンチャーにも関与していますが、研究室を日本だけではなく、ボストンにも持っています。そうやってグローバルに考えていくことが必要だと思います。


●起業を取り巻く環境と文化


―― なるほど。今はベンチャーに対する意識や夢がだいぶ変わってきているというお話でした。最近でいうと大学生、例えば東京大学の学生の中でも、自分の身の振り方としてベンチャーを目指す方も多いと聞きます。おそらく多くの若手研究者が、ベンチャーのような動きをするにはどうすれば良いのかを考えていると思います。先生には実際に1996年から(ベンチャー企業を)やられて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
行動経済学とマーケティング(1)「行動経済学」とは何か
人間はそれほど合理的ではない…行動経済学の本質に迫る
阿部誠

人気の講義ランキングTOP10
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す
狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き
長谷川眞理子
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
中島さち子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス
外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?
小原雅博
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将