健康経営ブランディングのすすめ
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なぜエーザイは健康経営ブランディングのお手本なのか
健康経営ブランディングのすすめ(5)健康経営を持続させるために
阿久津聡(一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻教授/DBAプログラムディレクター)
日本において健康経営ブランディングに取り組む企業の一つとして有名なのが、製薬会社のエーザイである。ヒューマン・ヘルスケアを企業理念として掲げ、グローバル企業として躍進している。健康経営を成功させるためには、こうした企業理念を従業員が内在化し、共感共鳴することが重要である。(2021年7月29日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー<リモート講演>「健康経営を企業ブランディングの枠組みで実践する」より、全5話中第5話)
時間:13分27秒
収録日:2021年7月29日
追加日:2021年12月8日
≪全文≫

●健康経営を持続可能な取り組みにするためのプロセス


 これが最後になりますが、健康経営を持続させるらせん状上昇サイクルを「ポジティブスパイラル」といいます。例えばAからBに行くだけではなく、AからBに行って、さらにBがまたAにフィードバックされてどんどん良くなっていく、そうした関係性があるという話です。

 (スライドを使って)簡単に説明します。健康経営ブランディングの仕組みに基づく実践プロセスは、先ほどの企業ブランディングの枠組みで健康経営に取り組んでいくという「健康経営ブランディング」のアプローチで考えると、まずそのビジョン、価値観を理念に掲げて、内外にトップマネジメントがコミットして発信していくことから始まります。

 この際に、当然内外の現状に傾聴します。今、組織はどういう状態で、これからどこに行こうとしているのか、そして社会は何に期待しているのかを確認します。特に健康経営では、社会が健康経営にどんな期待をしているのかを、専門家である産業医の先生方やオピニオンリーダーの話なども聞いて、健康経営を取り入れたビジョンをどうするか、価値観に従業員の健康をどう取り入れていくかを考えて、それを発信します。

 それができると今度は、そのビジョンに基づいて組織の文化・能力、仕事の資源を動員して、再編し、強化する、ということが行われます。そして、企業ブランドの理念に共感する人材を採用していきます。理念、ビジョンに対する共感・共鳴そのものが、共感・共鳴した方々のモチベーションや健康にまでプラスになることが分かってきています。例えばA社、B社、C社という会社があって、A、B、C社の価値観が異なっていると考える場合には、A社の理念のほうがB社よりも良い・悪いという問題ではなくなります。その際に極めて重要になってくるのは、どの会社の理念が一番合うか、つまり自分の価値観にフィットすると考える人たちを採用していくことです。

 あまりこういうことを意識しないで採用活動をしている会社では、例えば英語ができる・できない、IQの高い・低いという分かりやすい能力を見ています。そういうものとは少し違う次元でもしっかり採用を考えるべきだということを、健康経営は示唆しています。そして、時間がたつにつれて価値観や企...

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