大人の学び~発展しつづける人生のために
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
生き方を変える時代へ――リスキリングに求められる自律性
大人の学び~発展しつづける人生のために(5)大人のリスキリング
哲学と生き方
対談 | 為末大柳川範之
理論だけ理解しても処方箋は出てこない。よりよい選択ができるようになるためには、現実に合わせなければいけない。そこで昨今注目を集めているのが大人のリスキリングだが、リスキリングとは「自分の使い方を変えて、次の使い方を決めること」だと為末氏は言う。いったいどういうことなのか。そもそも会社が方向転換するために必要とされていたリスキリングが個人に向けられるようになった今、その意味について真摯に問い直す。(全6話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
※収録時の事情により、一部動画内に揺れが生じている箇所がございます。ご了承ください。
時間:12分53秒
収録日:2024年2月18日
追加日:2024年8月5日
≪全文≫

●よりよい選択のためには、理論だけ理解しても処方箋は出てこない


―― (ここまで)いろいろなお話をいただいた中で、具体的に一つ、例示的なもので教えていただくと、よりお聞きいただいている皆さんのイメージが広がりやすいかと思います。

 ちょうど、この(2024年)3月上旬には、先ほどお話も少しありましたが、『東大教授がゆるっと教える独学リスキリング入門』(柳川範之著、中央公論新社)という本をご発刊になるとお聞きしています。こちらの本でお書きになった事例でももちろん大丈夫ですし、あるいはご自身の研究されている経済学に大変好奇心を持った人が学んでみようというときに、どのような「型」が役立つのか。例えば、名著といわれるものをいくつか読んでいって、その体験と現実を交互に行き来するのか。そのように、何かイメージできるようなお話をいただけると大変ありがたいのですが、いかがでしょうか。

柳川 ありがとうございます。実は10年以上前に、自分の経験をもう少し書いた本を出していて、この本はその増補版のような形になっています。

 私自身は経済学者として、経済に関心を寄せているわけですが、そもそも関心を持った理由は、先ほど言ったように、世の中には実にさまざまな経済活動や社会活動があふれている。それらは、個別論としてはいろいろな議論があるが、バラバラではどうしても語りにくい。ところが、経済学の理論モデルを使うと、すっきりと骨が(枠組みが)分かる感じがする。それが非常に面白かったのです。

 もともと私は会計士になろうと思っていて、中卒で10年ほどシンガポールやブラジルにいた経験があるのですが、途中からは方向転換して、経済学のほうが面白くなってしまいました。その大きな理由は、やはりそういう複雑な現象を抽象的なモデルにすることで、すっきり理解できるところにあります。

 それこそ金融政策やインフレ、物価はどうやって決まるのか、あるいは価格とはどのように上下するのか、似たようでいてなかなか分からない話です。しかし、理論モデルで考えていくと、「なるほど、こういうメカニズムになっているのか」ということが分かっていくのだと思います。

 ところが、例えば今であれば、デフレ脱却やインフレ対策について、実際にどういう政策がいいかと、さまざまな議論が交わされています。かなり多様な議論があふれているのを、皆...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
「法華経はSFだ!」というナラティブの神秘的体験
鎌田東二
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
門田隆将
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留