人生100年時代の「ライフシフト概論」
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「終身知創」が必要なのに…時代に逆行する日本人の実態
人生100年時代の「ライフシフト概論」(2)キャリアの危機〈上〉
徳岡晃一郎(株式会社ライフシフト 代表取締役会長CEO/多摩大学大学院名誉教授・特任教授)
ライフシフトのカギが自分の「アップデート」であれば、何歳になっても学ぶことは欠かせない。そのことを「終身知創」と呼んでいるが、日本では大学卒業後に学び続ける大人の割合は、諸外国に比べあまりにも低い。こうした学びに関する認識の低さは、中年以降のキャリア人生を「粘土層化」し、本人も企業も不幸にしかねない。どうすればその危機を回避できるのだろうか。(全9話中第2話)
時間:9分44秒
収録日:2022年6月15日
追加日:2022年9月17日
≪全文≫

●「終身知創」の時代と日本の実態


 では、第2話をスタートしたいと思います。第2話は「キャリアの危機」ということです。

 前回は、ライフシフトに向けて現役が長くなることをぜひ意識してくださいというお話をしました。また、これを進めていくときのカギとして「アップデート」というお話をしたと思います。

 私はそれを「終身知創」という言葉で呼んでいます。「終身」は終身雇用の関連で出てきた言葉ですが、雇用はなくなりますから、終身で雇われるのではない。むしろその途中ずっと続くのは、知識を創造していくこと、すなわち自分で学んで価値を生み出していくことです。終身にわたって、ぜひ知を創造し続けてほしいということです。

 ところが、この図を見てください。これは、日本人がいかに知の再武装に無関心かということを示しています。大学を卒業した後は全然勉強しないのが日本人だということです。それに比して、OECDの各国では大学を卒業した後、高等教育でもう一度学び直している人がどれぐらいいるだろうということです。

 ここでは、特にMBAや大学院のようなところで、最新のビジネスの知識や多彩な教養を学ぶことがテーマになっています。一番多いのは、左端のスイスです。それがだんだん下がり、真ん中の黄色いところがOECD平均ですが、日本はなんと最下位から2番目で、2.5パーセントにしか及びません。その程度の人しか大学を卒業した後には学んでいないということで、学びに対して非常に無関心なことが分かります。大学までの間に十分やり切ってしまい、「もう勉強は嫌いだ」という感じになってしまった、むしろそのような教育を受けたといえるかもしれません。

 これは、終身知創が必要な時代、学び続けて「VUCAの時代」を生き延びていくべきことに対して、非常に逆行しているということです。おそらくわれわれのライフスタイルなり、学びに関する認識を改めなければならない時代に入ったということだと思います。


●キャリア観の変化と中年以降の粘土層化


 そのような生き方をしている中、自分のキャリアを見失う人も出てきます。スライドは法政大学の石山(恒貴)教授の調査...

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