健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
健康経営とは何か?取り組み方とメリット
健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~
阿久津聡(一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻教授/DBAプログラムディレクター)
近年、企業における健康経営®の重要性が高まっている。少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる中、労働力の確保と、生産性の向上は企業にとって最重要事項である。政府主導で進められている健康経営とは何か。それが提唱された背景やメリット、課題について解説する。
時間:11分43秒
収録日:2021年7月29日
追加日:2021年9月21日
≪全文≫

●なぜ健康経営が注目されるようになったのか


 皆さん、こんにちは。一橋ビジネススクールの阿久津聡です。今日は「健康経営とは?」ということでお話しさせていただきます。

 まず、「健康経営」という言葉を皆さんご存じでしょうか。もしくは全く聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。

 今、上に出しているのが、アデコグループさんによるアンケート調査です。ビジネスパーソン365名を対象にしたもので、「言葉も内容も知っている」という答えが21パーセントで、「聞いたことがあるが、内容はわからない」という方が36パーセントです。「聞いたことがない」という方が43パーセントで、現時点ではだいたいこのような感じなのかなと思います。

 ビジネスパーソンでも、「聞いたことがない」という方がまだ一番多くなっていて、「聞いたことがあるけど、内容はわからない」という方も入れると約8割になってしまいます。そのため、まだまだこれから普及させていかなければいけない概念だと認識しています。

 そもそも健康経営がどういう背景から生まれてきたのかというと、古くは1897年に、工場で働いている方々の安全をしっかり担保する法的基盤として、工場法の議論が始まった時から、近代日本では産業保健体制が考えられてきていました。工場法、労働基準法、そして労働安全衛生法と、そのときどきの時代の要請に合った法的な基準があって、それに対応していく形で、定期的な健康診断や特定健診などいろいろなことを各社がやってきました。今は厚生労働省がずっと主導でやっていて、データヘルス計画もあります。

 一方で、健康経営は国としては厚生労働省ではなくて、経済産業省が主導で行ってきました。その背景には海外の情勢があります。例えばアメリカでRosen and Bergerの『The Healthy Company』という著書が1992年に出版され、会社は従業員の健康に戦略的に投資をすることで、しっかりとリターンが得られることが明らかになりました。特に、国民皆保険がないアメリカでは、企業は従業員の健康に対して非常に責任があるので、これをより積極的に投資として考えましょうという発想です。

 実際にそれをやっている会社もあり、Johnson & Johnson(ジ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純