健康経営ブランディングのすすめ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
健康経営実現の鍵となる「ワーク・エンゲイジメント」とは
健康経営ブランディングのすすめ(4)健康経営ブランディングの仕組み
経営ビジネス
阿久津聡(一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻教授/DBAプログラムディレクター)
企業ブランディングの枠組みの中で健康経営をどう推進できるか。そこで今回は「健康経営ブランディング」について考えていく。鍵になるのが「ワーク・エンゲイジメント」という概念である。それは、仕事への活力・熱意・没頭が向上し、「バーンアウト」といわれる、ストレスが恒常的にある状態が緩和されることを指し、それによって健康増進、生産性・パフォーマンス向上などにつながるという。ではその中身はどのようなものなのか。(2021年7月29日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー<リモート講演>「健康経営を企業ブランディングの枠組みで実践する」より、全5話中第4話)
時間:7分05秒
収録日:2021年7月29日
追加日:2021年12月1日
≪全文≫

●企業ブランディングの枠組みで健康経営を推進する


 では、そうした(企業ブランディングの)枠組みの中で健康経営をどう推進できるかですが、それを考えるのが「健康経営ブランディング」という概念です。

 そこで前回お伝えした発想を展開していくのですが、スライドをご覧いただくとお分かりの通り、企業ブランドの理念(メッセージ)が三角形の頂点にあります。左下が企業の文化・能力(社内の組織の中のアイデンティティ)で、右下が外部の評価です。

 ただ、健康経営は個々の従業員が健康になっていかなければいけないので、組織レベルで見ていくだけでは足りず、ミクロの個人までしっかりと見ていかなければいけません。ここで、スライド内のグレーの枠で囲った部分(左が仕事の資源、右が個人の資源)にインタラクションがあります。

 組織の中にいる個人は、仕事の中、つまり職場での資源です。それが企業の文化・能力であり、上司の価値観や上司の個人特性、内発的な動機付け、リーダーシップといったものも組織の資源になります。また、企業のブランド理念自体が個人の資源にプラスになっていきます。特に個人の価値観が会社の理念に共鳴している場合には、それが個人の心理的な資源になり、個人の健康にプラスになっていきます。つまり、企業ブランド理念への共感と共鳴自体が動機付けにつながり、さらに健康にもつながっていくのです。

 それがどういう形で具体的にできるのかですが、そのときに「ワーク・エンゲイジメント」という概念が入ってきます。仕事そのものに対して活力・熱意・没頭が向上して、「バーンアウト」といわれる、ストレスが恒常的にある状態が緩和されます。これが健康増進、病気予防、そして生産性・パフォーマンス向上につながります。それから組織としては、理念に基づいた行動を従業員がしてくれて、アブセンティーイズムやプレゼンティーイズムが低下します。


●経営理念とワーク・エンゲイジメントには相互的な関係性がある


 今の話で、ワーク・エンゲイジメントというコンセプトを初めて聞いた方もいると思います。これは背後に、非常にしっかりした学術的な研究があります。ここで全てお話しすることはできないのですが...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
リーダーの心得…幕末の偉人たちを育てた佐藤一斎に学べ!
田口佳史
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
水野道訓
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
江崎昌子
未来を知るための宇宙開発の歴史(13)発展する宇宙空間利用と進化する技術
最近の話題は宇宙生命学…生命の起源に迫る可能性
川口淳一郎
編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?
学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く
テンミニッツ・アカデミー編集部
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹