われわれの求めるリベラルアーツの全体像
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
テンミニッツTVの3つの目的とリベラルアーツの全体像
われわれの求めるリベラルアーツの全体像
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
テンミニッツTVはさまざまな情報を提供しているが、大きな目的は3点に集約されるという。1点目は、対象の全体像を提供できるかということ。2点目は、その全体像の中で変化するダイナミズム、その方向性を読み取ることができるかということ。3点目は、それが分かったらどうしたらいいかということ。それらはいったいどういうことなのか。われわれの求めるリベラルアーツの全体像について考える。
時間:15分44秒
収録日:2019年8月28日
追加日:2019年10月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●テンミニッツTVの大きな目的は三つ


 テンミニッツTVはさまざまな情報を提供しておりますが、最も大きな目的は3つに集約されると思います。1点目は、全体像をつかむ、あるいはその全体像を提供できるか、ということです。2点目は、その全体像の中でさまざまに変化する、その変化のダイナミズムの方向性を示すことができるか、読み取ることができるか、ということです。3点目は、それが分かれば、どうしたらいいか、何を考えるべきか、どう手を打つべきか、という答えを提供できるか、ということです。この3つを大きな柱として、情報提供していきたいと思います。

 なぜこういうことを改めて繰り返しお伝えしているのかというと、小宮山宏先生のご議論の中で、いくつか大事な問いかけがありました。その問いかけの中心部分で、「両利きの経営」についてのお話がありました。元を正せばクレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』に対してチャールズ・A・オライリーとマイケル・L・タッシュマンの『両利きの経営』の考え方を示し、さまざまな点について問いかけているわけですが、今回は、この問題は実は経営だけではなく、大学あるいは国際関係、国際政治にも当てはまるのではないかという話をします。


●両利きの知識体系はどこから生まれるのか


 もともと新興企業と既存の大企業との葛藤、ジレンマについて、破壊的イノベーションと持続的イノベーションという形でクリステンセンなどが指摘してきたわけです。両者の関係を両利き、つまり探索と深化によって既存の体系を深化させる旧企業・旧経営に対して、探索を中心として新しい商品なり新しいビジネスなりを開発しようという新興の挑戦者という対立関係、競争関係と見たときに、深化と探索の両方を持たなければいけないということはその通りなのですが、実はわれわれの世界、例えば大学というのは、既存の体系を深化させる仕組みといっていいわけです。そういう意味でいうと、既存の体系を狭く深く追求することによって業績を出す方向に全体のシステムがなっているわけですね。

 では新しい挑戦はどこから生まれるかというと、狭く深く知識の体系をクリエイションしていきながら、その先端に挑戦がある、という位置づけなのですが、多分そうではないでしょう。つまり、全く別の思考方法、全く別の学問体系から新しい挑戦が生まれるのではないか、と...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
「教養」と「リベラルアーツ」の違いとテンミニッツ・アカデミー
教養とリベラルアーツの違い…一般教養からWhy、Howへ
曽根泰教
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(4)注目されるタスクベース・アプローチ
AIは「まあまあの技術」?…タスクベース・アプローチでわかること
宮本弘曉
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
50代からの親の介護~その課題と準備(3)仕事と介護の両立のために
介護離職は最後の手段、介護休業制度を上手に活用すべし
太田差惠子
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
伊藤博文暗殺…日本近代化で本当にいいことがあったのか
與那覇潤
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳