知識の構造化のために
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
テンミニッツTVは知的耳学問をデジタル化するイノベーション
知識の構造化のために(2)専門分野の「前提」を疑え
哲学と生き方
フェイクニュースが世界を席巻しているが、こうした状況に対峙するには、信頼できる専門家からの「知的耳学問」の積み重ねが不可欠である。その意味で、テンミニッツTVは知的耳学問をデジタル化するイノベーションである。こうした試みにより、専門分野が疑わない、時に大災害を招いてしまう分野ごとの前提を疑うこともできる。(全5話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:9分43秒
収録日:2019年7月19日
追加日:2019年9月1日
≪全文≫

●フェイクニュースを簡単に覆すことはできない


小宮山 だから、「知識の爆発」という中で、「どうやってみんながだいたいの全体像を共有するか」というのは非常に難しい。というのは、今のドナルド・トランプさんが一番有名ですけれども、都合の悪いことは「フェイクニュース」だといいますよね。「フェイクだ」と。あれは、なかなか覆すのは難しいのです。

 もともと、「実存するというのはどういうことなのだろうか」ということは哲学的には大変な議論なわけです。「見えたら、あるのか」というような議論をしていたわけですけれども、それよりもはるかに難しい話になってきていて、特に最近は、「記憶というものは曖昧だ」ということがハッキリしてきましたよね。いろいろ上手にあとからインプットすると、「まるで自分が経験したかのように感じてしまう」というのが分かってきたことですよ。だから、「記憶というのは必ずしもあてにならない」ということまで分かってきています。

「物が存在するのはどういうことか」というレベルからですね、「では中国の人口はいったい今は何人なのか」。何人なのかは決まっているのだけれども、「本当にそうか」と言われたら、困るという状況がある。だから、「あれはフェイクだ」と言うと、「いや絶対に違う」というのは、言いにくい時代に入ってきているわけです。


●知的耳学問によって知識を検証可能にする


小宮山 では、その時にどうするか。先ほど申し上げたように、「その分野のことは一番この人が知っているだろう」という、いわゆる「知的耳学問」を積み重ねることが、少なくとも不可欠ではないでしょうか。だから、グーグルだけではダメなのです。

―― 知的耳学問で、しかも頼りになる人を1人ないし2人知っている、と。検証できるくらいの部分がある、ということが必要ということですね。

小宮山 少なくともそういう人が100人必要です。


●テンミニッツTVは知的耳学問をデジタル化するイノベーションである


―― ジャンルがいっぱいありますから確かにそうですよね。そういう意味では、先生がお作りになったテンミニッツTVの仕組みは、知的耳学問をやるためのデジタルと構造化のシステムとしては、かなり上手くできている、と。

小宮山 そうですね。上手くできていると思いますよ。だけど、「あれっ」と思うようなものは、やはり、さっき申し上げた...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(25)クーデターで考える「政治の要点」
台湾クーデター・シミュレーション…「世直し」への条件
テンミニッツ・アカデミー編集部
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(2)再生可能エネルギーの可能性と経済性
やればできる!再生可能エネルギーのポテンシャル高い日本
小宮山宏
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(2)50歳からの目標
伊能忠敬の生き方に学ぶ「50歳からの目標」とは?
童門冬二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
江崎昌子