現代人に必要な「教養」とは?
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
学問は関係ない。教養がある人の「素敵な振る舞い」とは
第2話へ進む
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
「現代において教養が重要だ」とよくいわれるが、そもそも教養とは何なのか。小宮山宏氏は東京大学で学生たちにずっと言い続けてきたことが3つあるという。それは何か。長谷川眞理子氏との対談ウェビナーの中で飛び出した、痛快な教養論をお届けする。(全8話中第1話:2022年6月29日開催ウェビナー〈現代人に必要な「教養」とは?〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分28秒
収録日:2022年6月29日
追加日:2022年9月30日
≪全文≫

●1990年代に話題になった「教養とは何だろうか」


―― 皆さま、こんばんは。本日は小宮山宏先生、長谷川眞理子先生に、「現代人に必要な『教養』とは?」というテーマでお話をいただきます。どうぞよろしくお願いします。

小宮山 よろしくお願いします。

長谷川 よろしくお願いします。

―― 早速本編に入りたいと思います。実はこのテーマについて(事前に)ご参加の皆さんに質問を募集したところ、いくつかいただいています。一つはまさにタイトル通りで、「そもそも教養とは何か」ということです。

「現代において教養が重要だと各方面から口酸っぱく言われます。でも、そもそも教養とは何ですかと聞き返すと、答えられる人は案外少ない」ともいわれています。そういう中で、「では、本当の教養というものを、われわれはどう理解すればいいのですか」というご質問になります。

 まず、ここを長谷川眞理子先生にお訊きしたいと思います。長谷川先生には、先日公開したばかりの「『今、ここ』からの飛躍のための教養」(2022年5月25日配信開始)という講義をいただきました。そこでかなり詳しくお話をいただいているので、ここでは手短にお話をいただけると有難いと思います。

長谷川 「教養とは何だろうか」というのは、次々に大学が教養部をやめてしまった1990年代初め頃、ずいぶん話題になりました。大学の先生たちの中でも、「それでは教養とは何か」と言い始めると、侃々諤々するばかりで駄目なので、もう定義の話はやめましょうということが多かったですね。

 でも、やはり「リベラルアーツ」ということが元で、リベラルは「リベレートする(=解放する)」だから、今の自分の限界を超える、今の自分の考えの枠を超える、自分で考え、自分で決断するための基礎になるようなものということでいいのではないかと思います。

―― やはり、それらの基礎という部分なのですね。

長谷川 ものを考える基礎ということです。


●教養とは「よりよく生きるための知の力」


―― 考える基礎という今のお話を受けて、小宮山先生、その点はいかがですか。

小宮山 基本的にそうなのだろうと思いますが、私は東京大学(以下、東大)の頃にずっと3つのキーワードを言い続けてきました。それは「本質を捉える知」「他者を感じる力」、それから「先頭に立つ勇気」です。この3つをいろいろなところで言い...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(3)医療の大転換と日本の可能性
近代医学はもはや賞味期限…日本が担うべき新しい医療へ
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
津崎良典
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ