現代人に必要な「教養」とは?
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「リスクを取らず」では発展なし…日本社会の負の螺旋構造
現代人に必要な「教養」とは?(7)日本型タテ社会と語学教育の問題
哲学と生き方
日本型タテ社会で多様性が叫ばれインターネットが進展するに伴って、社会的なつながりが希薄になっているといわれる昨今。ではそうした状況の中、どう社会性を育めばいいのか。母国語と英語教育についてと合わせて、両先生が非常に興味深い回答を展開していく。質疑応答編第2弾。(全8話中第7話:2022年6月29日開催ウェビナー〈現代人に必要な「教養」とは?〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分02秒
収録日:2022年6月29日
追加日:2022年11月11日
≪全文≫

●自らの中に「外圧」を取り入れて変化を起こす


―― それではまた、次の質問にまいります。

 「日本型組織のタテ社会の同調圧力が日本に歯止めをかけていると思います。全員が無関心で、リスクを取れない組織の中で、立場を守り、既得権を守りたい一部の勢力を突破でき、生き延びることができる教養を学び、子どもたちに伝えるためにはどうしたらよいか、日々悩んでいます(先ほどの同調圧力をどう変えるかというところですね)。地域のコミュニティである町内会や自治体、PTAも多様化やネット社会のため、昔と比べてつながりが希薄になっていると思います。1人で生きることは難しい。どう社会性を育めるか、日々悩んでいます。何か指針があればご教示ください」

小宮山 「こうしたらうまくいくのではないか」という答えから考えるのがだんだん癖になってきているのですが、若い人は海外に出てもらうことではないかと私は思っています。今のような世界情勢で、戦争のようなものが多いと、若い人がだんだん外に出なくなりますが、やはり日本と違う社会を見ないといけないと思います。

 東大にいる時、(総長の任期が)あと2年あったらやりたいと思っていたのは、海外の大学との連携です。(若い人は)アメリカが中心でいいと思いますが、ヨーロッパやアジアを見てくるのもいい。どこかへ行って、1単位は取ってくる。できれば1年はいること。今ではバーチャルなものでオープンキャンパスなどができますが、ともかく向こうに住んで、1単位でもいいから取ってくる。それを義務にすると、今おっしゃったような疑問がかなり変わってくるのではないかと思います。

―― 長谷川先生はどうですか。

長谷川 今の日本の社会のあり方というのが「リスクを取らず、安全」で、一度失敗したら駄目だから「絶対失敗しないように」ということが負の螺旋になっている。ものすごく居心地いいといえば居心地いいものの、発展性がなく、何も起こりそうにない。そういうツボにはまっているような気がします。

 こういうことは一人の人間が変わっても変わるものではないから、社会を構成している学校も、会社も、いろいろなところのみんながそういう雰囲気になるのがいい。どこか(一箇所)だけ変わっても駄目で、みんな元の木阿弥になってしまう。そういうものを変えるのに一番いいのは外圧です。どこかに行くというのは、自らの中に「...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
イスラム教におけるシーア派とスンニ派の違い
イスラム教スンニ派とシーア派の違いとは?
山内昌之
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
未来を知るための宇宙開発の歴史(14)宇宙開発は未来をどう変えるか
『2001年宇宙の旅』が現実になる!?カギは宇宙医学
川口淳一郎
徳と仏教の人生論(2)和合の至りと正直
正直とは何か――絶対的存在との信頼関係の根幹にあるもの
田口佳史
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(3)テクノロジーの進化とエンタメのいま
VR、ゲーム実況、ブロックチェーン…一方でリアルライブも
水野道訓
【入門】日本仏教の名僧・名著~総論(1)名僧の原著に触れる意味
「文は人なり」――原文を読んで名僧の思想の息吹に触れる
賴住光子
クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か
中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う
上杉勇司
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子