世界の語り方、日本の語り方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
世界の語り方を変えることができれば、世界は変わっていく
世界の語り方、日本の語り方(8)「言語と倫理」の語り方
中島隆博(東京大学東洋文化研究所長・教授)
「言語と倫理」の語り方では、将棋界で躍進中の藤井聡太棋士が日本語と将棋のバイリンガルに譬えられる。前代未聞のバイリンガルは、どんな未来を拓いていくのだろうか。(2019年2月14日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「世界の語り方、日本の語り方」より、全9話中第8話)
時間:13分20秒
収録日:2019年2月14日
追加日:2019年8月21日
≪全文≫

●藤井聡太棋士は「日本語と将棋のバイリンガル」?


 今回は、まず言語、言葉です。酒井邦嘉氏はチョムスキーの系譜にある言語学者ですが、同時に脳のことなどにも詳しい方で、面白いことを言われました。将棋界の記録を塗り替えている藤井聡太棋士について、「日本語と将棋のバイリンガル」だというのです。

 皆さんの中にも将棋を指される方がいると思いますが、私もヘボ将棋をやります。私のヘボ将棋は本当にダメなのですが、そのダメさがこれでやっと分かった気がします。つまり、私は外国語のように将棋を指していて、文法間違いをしたりするのです。ところがバイリンガルの藤井棋士は、文法間違いをしないわけです。

 例えば、日本語話者の人が日本語をしゃべっていても、たまには間違えることがあります。でも、そのときに「あ、しまった。間違ったな」とわれわれは気付きます。ただ、「てにをは」を間違えるようなことは、あまりありません。でも、外国語を習い始めの頃はしょっちゅうそういうところを間違えます。私のヘボ将棋は、だいたいそのレベルなのです。いつまでたっても上達しない外国語のような感じです。でも、藤井棋士はバイリンガルだから、将棋を指すときに文法的に正しい手を打てて、めったに間違えないわけです。


●将棋の天才の秘密は、言語的達成度にある?


 では、どうして藤井棋士はそんなことができたのか。そして、他の人はできないのか。もちろん単純に、「藤井さんは天才だから」というのも悪くない答えです。きっと天才なのだろうなと思いますが、お母さんに聞いてみると、「いえいえ、普通の子でした」と言われます。

 ということは、「天才だ」と片付けるのではなく、何かここに秘密があると考えてもいいのかもしれません。つまり、バイリンガルであるところに、面白いヒントがあるのではないか、ということです。

 本シリーズの中で私は、「空海をマルチリンガルな人だ」と言いました。しかも、そのマルチリンガルは、言語をスイッチしていくようなマルチリンガルではなくて、compoundにしていくマルチリンガルだと申し上げました。藤井棋士の能力は、そういう在り方に似ているのかなと思うわけです。

 バイリンガルといってもいろいろな方がいて、うまくやらないとどちらの言語もあまりできない状態で止まってしまうことが...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り
為末大

人気の講義ランキングTOP10
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一