世界の語り方、日本の語り方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
知識を知性に変えるために必要な「変容」とは
世界の語り方、日本の語り方(9)質疑応答
中島隆博(東京大学東洋文化研究所教授)
知識を知性に変える「変容」とは、どのようなことを指すのか。また、世阿弥の記した「初心」とは。講演後に上がったいくつかの質問をもとに、思考と見識の共同体験がより深められていった。(2019年2月14日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「世界の語り方、日本の語り方」より、全9話中第9話)
時間:7分20秒
収録日:2019年2月14日
追加日:2019年8月27日
≪全文≫

●知性を働かせるのに必要な「変容」とは?


質問 変容について先生のお考えをうかがいたい。それは行動や思考、価値観なども含めた変化を指すものなのか、それとも「色即是空」のように次元を超えたものなのか。

中島 変容することは、いわゆるアバターではないと思っています。服を着替え、AからBに変わるというのではなく、その人とその人を含む世界自体が変容していく。また、同時にその人が関わる人たちも変わっていく。そのようなダイナミックなものだと思っているわけです。

 例えば、英語で人間のことを“human being”といいます。“being”だから存在です。それに対して、私は実は“human becoming”であって、人間は人間になっていく存在ではないかと考えています。犬は終始犬なので、その点でずいぶん立派だと思いますが、人間というものは、人間的になっていく「変容」を経ないと、実はなかなか人間になれない。そのような面倒くさい存在だという気がするのです。

 人間が人間的なのは当たり前ではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それほど簡単なことでもありません。人間が人間的になるためには、多分いろいろな努力をしなければいけない。例えば、お能の話をうかがいましたけれども、あのように舞ったりすることを通じて、やはり身体に対する感覚が変わってくるわけです。それによって、別の身体と別の世界との付き合い方を手に入れていくのだと思います。それによって、人間は自由になっていく。自由になること自体が、人間のある種の条件なのかという気がしています。

 そのように、深い変容が人間にはあるのではないか。しかも、それは“human co-becoming”で、ともに変化していくようなことが絶えずあるということです。そうでないと、心をともにすることも、言葉をともにすることもできないのではないかと思っています。


●会ったことのない「国家」の変容をどう捉えるか?


質問 個人的な変容だけでなく集団の変容もあるだろうと思う。コミュニティや社会、国家なども変容するといえるのだろうか。

中島:私は、どのレイヤーに関してもそれはいえると思っています。ただ、例えば国家となると、かなり規模が大きくなる。国家が変わるとは一体どういうことなのだろうと思うわけです。われわれは、国家に会ったことはないでしょう。ある種の集団的な想像力の中で、国家があるだけで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「学びたい」心のための環境づくり
人間だけが大人になっても「学び」を持続できる
長谷川眞理子
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
徳川家康と貞観政要(1)徳川家康が太宗から学んだ治世の要諦
『貞観政要』とはいかなる書か?家康は何を学んだのか?
田口佳史
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥