現代人に必要な「教養」とは?
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
学問は関係ない。教養がある人の「素敵な振る舞い」とは
現代人に必要な「教養」とは?(2)教養がある人とない人の差
明治以来、日本の教養人は行動を起こさず、高等遊民的に物事を傍観するというイメージがあった。しかし、アメリカではリベラルアーツが民主主義社会の一員として必要な要素と見なされている。実際に「教養がある」と思われる人とそうでない人の違いは、知識の問題ではなく、行動そのものに表れるものだという。(全8話中第2話:2022年6月29日開催ウェビナー〈現代人に必要な「教養」とは?〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分18秒
収録日:2022年6月29日
追加日:2022年10月7日
≪全文≫

●ケンブリッジ大学のハイテーブルで感じた教養に必要なもの


―― そこでいうと、教養がある人とない人の違いといいますか、それがどういうところに表れるか、ということになると思います。

 これもご質問ですが、「教養がある人とない人はどのような差が生まれてくるのでしょうか」ということで、ぜひ具体的なエピソードをいただきたいと思います。

 長谷川先生は前回のテンミニッツTVの講座の中では、ケンブリッジ大学に行かれた時の、いろいろな専門の先生方が集まる食事会のことを取り上げられました。これは具体的にいうと、どういうイメージの会なのでしょうか。

長谷川 それは、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学のハイテーブルについてですね。それらは大学というよりカレッジで、そこに所属している人たちがみな定期的に、一斉に夕食を食べます。そのとき、隣に誰が来るか、どのテーブルで誰と一緒になるかは分からないのです。

 分からないから、隣にはイタリア文学が専門の人が来るかもしれないし、その正面には量子力学(の研究者)がいるかもしれないし、経済学者がいるかもしれないし、音楽関係の人がいるかもしれない。そういうところで、楽しくおしゃべりをしながら、2時間ぐらい食べなければいけない。

 その場の誰もが何もかも知っているというわけではもちろんありません。しかし、どういう質問をすると面白くなるか、どういう反応をするとみながもっと興味を持って楽しく食事できるか。ということを、みなずっと心の隅で考えながら、いろいろなことを言うわけです。

 それも決して自分の持っている知識をひけらかしているわけではありません。前回(小宮山)先生がおっしゃった、「本質を捉える知」や「他者を感じる力」というものを総動員して、自分の専門ではないことをやっている人たちは何が面白くてそれをやっているのか、その分野ではどういうアプローチによって何が分かると思っているかなど、お互いにそういうことを想像しながら、こちらの持っている知識も少し交えながら面白い話をするのです。

 そういうことができる人というのは確かに教養がある人だと、私は思います。

―― 例えば、本屋さんに行くと「質問力」とか「質問できる力」のようなタイトルがありますが、たぶんそういうノウハウではなく、あるいはノウハウだけを知っていても、いい質問はできないと思い...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一

人気の講義ランキングTOP10
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
鎌田東二
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
デカルトの感情論に学ぶ(2)感情をコントロールするには
恐怖をなくす方法と感情のコントロール…デカルトの考え方
津崎良典
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術
男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術
三谷宏治
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ