知識の構造化のために
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
他分野とのインターフェイスを作り、相互成長の活性化へ
知識の構造化のために(3)教育と研究の新しい理念
知識の爆発という現在の状況下では、教育の位置付けや専門分野間の関係も変わるべきである。教育はもはや、一緒に成長し合う相互成長しかありえない。また、研究機関についても、専門分野間の連携によって、これまでなされてこなかった幅広い観点から研究成果を生み出すことができる。(全5話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:10分38秒
収録日:2019年7月19日
追加日:2019年9月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●他分野間での議論の重要性


―― 前提の作り方は、専門家だけじゃダメなので、ある種トランスサイエンスみたいに、「科学のことは科学者だけに任せておけばいい」、ということではないんですね。

小宮山 そうですよ。だから、「インクルーシブ」、という言い方をしますよね。「多様性を包摂する」、ということです。要は、「いろんな考え方の違った人が混ざる」、ということです。そこで、議論をしなければ、「どういう前提が正しいだろうか」、という議論はできないんじゃないですかね。


●教育の意味が大きく変わってきている


―― 今日の議論で、先生に明確に教えてもらったのは、「前提の話をする」というところは、専門家だけではできない、と。その「前提」が決まった後の工程は専門家でやってもらう、というのは大きな間違いが起きないけれども。このことは原発ではっきりしているわけですね。

小宮山 そうですね。その通りですよ。


●知識の爆発の時代では「相互成長」が大事


―― 「多重」防備と言っても、津波までは考えていなかった、という話になっちゃうわけですね。先生、これは深いですね。

小宮山 深いですよ。これは知識の話だから深いに決まっている。哲学者というのは、そればかり考えていたわけだから。それも哲学者に任せていてもダメ。やはり知識の話は大事なのだから、われわれ素人は「そんなものも知らないのか」と言われるかもしれないけど、「すいません」と言うだけですよ。

―― そういう意味で、碩学(せきがく)をたくさん用意して、それに対して知的耳学問していく、ということで、要するに勉強の仕方が変わってきているわけですね。

小宮山 「教育」という言葉自体が英語だったら「education」、ドイツ語だったら「erziehung」で、あれは「引っ張り出す」という意味ですからね。だけれども、僕はそれすらも違ってくると思うよ。引っ張り出すことなんか、だんだんできなくなっている。なぜなら、昔僕らが考えてできているものと違うものがどんどん発展してきているから。そうすると、僕は「相互成長」、というものしかないと思っている。「一緒に成長していく」。英語でよく言っているんだけど、「Mutual Growth」、相互に成長していくということです。

 「by lifelong active learning」。だから結局、一生勉強していくことが大切です。やっぱり、受験勉強というのは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
AIとデジタル時代の経営論(6)暗黙知と判断力
AIは「暗黙知・常識に基づく高度な判断」が不得意
一條和生
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦