2020世界の政治経済と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ政権によって崩れ去った核軍縮の歴史的な歩み
2020世界の政治経済と日本(3)揺らぐ世界の安全保障体制
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
トランプ政権は安全保障政策に関しても、新たな方針を打ち出している。冷戦時代に締結されたINF条約以降、核軍縮の枠組みは少しずつ発展してきていたが、トランプ大統領はロシアや中国の動きを警戒して、この条約から離脱してしまった。北朝鮮の金正恩委員長と会談を行い、核兵器開発に関して釘を刺したように見えたが、北朝鮮はその後も日本を射程に収めるミサイルの実験を何度も行っている。(2020年1月23日開催島田塾会長講演「2020世界の政治経済と日本」より第3話)
時間:6分33秒
収録日:2020年1月23日
追加日:2020年4月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●核軍縮の歴史的な歩みはトランプ政権のもとで崩れ去ってしまった


 トランプ大統領は非常に危険な政策を取っていますが、もう一つの例はINF条約(中距離核戦力全廃条約)です。INFはIntermediate-range Nuclear Forceの頭文字で、中距離核兵器、つまり核弾頭を持った中距離ミサイルのことを指します。これの廃棄を定めた条約をロナルド・レーガン元大統領とミハイル・ゴルバチョフ元書記長が、さまざまな曲折を経て、これが良いと合意しました。そうしないと世界はひどいことになるといって、INF条約を結んだのです。

 これを結んだのは1987年と30年以上前のことになりますが、その2年後にベルリンの壁が崩壊し、両ドイツが統一されて、1991年にはソ連が解体し冷戦終結と激動が続きました。そのあと、これを踏まえて、START-1、第一次戦略兵器削減条約、さらにはSTART-2という枠組みへと波及して、世界の核軍縮が軌道に乗りました。しかし、トランプ大統領は、この条約を破棄するといい出しました。ロシアがミサイルを開発しているらしいし、中国はこの条約に加盟していないから、こんな条約はなくした方が良いといって、結局廃棄することになりました。これにはヨーロッパは、愕然としてしまいました。こういった背景によって、現在のヨーロッパのアメリカに対する不信は、非常に大きくなってきています。

 北朝鮮は、こうしたてん末を見ていました。そして、トランプ大統領は核廃棄や、軍縮に対して、本気でやる気はないと判断しました。だから足元を見ています。(核廃棄に対して)金正恩氏はもう全くやる気はないででしょう。とんでもない状況をトランプ大統領はつくってしまいました。トランプ大統領は歴史を核軍縮の前の時代に引き戻してしまったのです。


●北朝鮮との非核化を巡る首脳会談は政治ショーにすぎない


 その北朝鮮は、1990年代の末ごろから、急速にミサイル開発を進めました。皆さんも覚えていると思いますが、2017年には射程1万3000キロでアメリカの東海岸に届くといわれる火星15型大陸間弾道弾の発射実験に成功しています。

 北朝鮮と韓国は1953年に休戦協定を結んだものの、まだ平和条約を結んでいないため、未だ戦争状態にあります。そのような不安定な状態の中で、キム王朝の体制を安定化するために、北朝鮮は事実上の核保有国であるという事実をアメリカに認めさせることが悲願なのです。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(9)ライトノベルへの影響と物語の重要性
現代のライトノベルやゲームにもオデュッセイアの影響…神話は「創作活動」の重要な根源
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
ギリシア悲劇への誘い(1)ギリシア悲劇を観る
二千年の時を超えて読めるギリシア「三大悲劇詩人」の作品
納富信留
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博