北朝鮮の脅威と日本の国益
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
北朝鮮問題を「悪人の論理」と「弱者の論理」から考える
北朝鮮の脅威と日本の国益(3)「悪人」か「弱者」か
小原雅博(東京大学名誉教授)
北朝鮮の非核化問題をめぐっては、「悪人の論理」と「弱者の論理」という2つの考え方がある。「悪人の論理」に基づけば、制裁や武力攻撃が必須である。それに対して「弱者の論理」に基づくと、解決のためには平和体制の構築が求められることとなる。(全9話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:12分30秒
収録日:2019年8月21日
追加日:2019年10月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●北朝鮮側の体制保証要求をどう考えるべきか


―― もう1つ、話の整理のためにお聞きすると、「敵視政策をやめなさい」という北朝鮮の要求についてのお話がありました。北朝鮮が言うのは、「われわれの体制保証をしなさい」ということです。前提として、朝鮮戦争は1950年に勃発し現状では休戦協定が結ばれたけれども、戦争状態は続いているという状況がある。だから米韓の合同軍事演習なども、ある意味ではそういう前提の下で行われている。そうした環境の中で、北朝鮮が言うところの「体制保証をせよ」「敵視政策をやめろ」という要求は、果してどういう意味を持つものなのかというところなんですが、ここを、どのように見ておられますか。

小原 まさに休戦協定というのは、法的には戦争が終わったことを意味してなくて、戦争状態が続いているということですね。そういう中で、今言われたように、韓国からすれば北朝鮮の攻撃があるかもしれません。そうでなければ、なぜ核・ミサイル開発をしているんだ、ということです。だから、韓国からすれば、あるいは日本やアメリカからしても、これは非常に脅威です。

 他方で北朝鮮側からすれば、アメリカという大変強大な軍事力を持つ国家から、自分たちの安全が脅かされているという認識になります。そうなってくると、米韓の合同軍事演習というのはアメリカと韓国からすれば北朝鮮の攻撃に対する防衛のためにやっているわけなんだけど、北朝鮮側からすると、われわれを攻撃するために準備をしているんではないかと思わせるものです。ここには、そうした相互の不信感があるわけですね。

―― 戦争状態ですからね、ある意味では。

小原 だから、まずはそうした不信感を和らげていく必要があるじゃないかということです。その中で今議論が出ているのが、終戦宣言という話です。これは政治的な効果しかない、法的な拘束力はないものです。とりあえず、戦争は終わったんだということを宣言して、そこからさらに正式な平和条約へと進めていけば、国と国の関係をお互いに認め合って、外交施設や大使館も開いて、また、いろんな話し合いを常時して、協力関係も進めていけるじゃないか。そういうことになっていけば、敵視政策が少しずつ解除できるのではないか、と。たぶん、そうしたプロセスが重要だと思うんですね。


●「悪人の論理」に基づく武力行使の可能性


―― でも、平和条...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎