北朝鮮の脅威と日本の国益
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アメリカ国内では北朝鮮よりイランのほうが関心が高い
北朝鮮の脅威と日本の国益(8)米・中・韓の駆け引き
小原雅博(東京大学名誉教授)
北朝鮮の韓国への駆け引きは、米韓関係を引き裂き得る踏み絵のようなものである。現状では国連制裁に抵触するために経済的援助はできないが、今後のアメリカ、中国、韓国の出方次第では一気に情勢が変化し、融和方向にも緊張方向にも向かう可能性があるだろう。(全9話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:6分51秒
収録日:2019年8月21日
追加日:2019年11月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●北朝鮮への経済援助は国際関係を大きく揺るがす


―― 最後に、日本の話をお伺いしたいと思います。デカップリング、すなわち離間論や分断工作という部分でいうと、先ほどの北朝鮮による韓国へのメッセージというのは、極めて怖いメッセージです。「お前ら、俺たちとうまくやろうとするならば、もっと経済協力しろ」、みたいなものです。もし韓国がそれに応えて経済協力をしたら、今度は米韓の間がめちゃくちゃなことになりますよね。だから「お前ら、どっちを取るんだ」という半ば踏み絵のような状態になっています。

小原 これまで韓国が歩み寄れなかったのは、アメリカがやっちゃダメだと言ったからです。

―― ということですね。

小原 それから、やっぱり経済協力の中の多くは、国連制裁に引っかかる可能性があるんです。そういう意味でいうと、やはりアメリカや国連安保理での議論が進まないといけません。実は中国とロシアは、この制裁は解除していいんじゃないかということで、安保理に働きかけているんです。もちろん、安保理では常任理事国が全員イエスと言わないかぎり動きません。ですからアメリカは今、制裁を解除すべきじゃないと主張し続けています。これには日本も強く釘を刺しているので、現状が維持されているんだと思います。

 そういう意味で言うと、今は静かに見えますけどね、これから半年、つまり2019年の年末までの各国が動き方によっては、来年は大変厳しい年になると予想されます。また緊張が高まる可能性があると思いますね。


●アメリカ国内の関心は北朝鮮よりイランに向いている


小原 ただドナルド・トランプさんはイランも抱えていますし、中国も抱えています。その中で、大統領選挙がいよいよ来るという時期に、北朝鮮問題でどの程度北の要求に応えられるのかという問題があります。つまり、下手すると、大統領選挙にも影響するのです。

 実は大統領選挙のことを考えると、トランプさんにとって北朝鮮はそんなに大きなテーマではないんです。もちろん、最も大事なのは経済です。これまでも大統領選挙を最終的に決めてきたのは国内経済でした。今、アメリカでは経済がちょっとおかしくなってきてますね。これは金利や米中の貿易戦争が関わっています。米中の貿易戦争は自分が仕掛けたものですが、どうやってこれをソフトランディングさせていくのかが非常に難しい。

 それ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
「満洲」から考える日本とアジア(3)「渤海」とはいかなる国か
謎の「渤海」…7世紀末から10世紀まで満洲で栄えた渤海と奈良時代以降の日本との交流の背景は安全保障
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(32)鎌田東二先生の法華経講義解説-1
【10min名作探訪】鎌田東二先生の『法華経』講義の核心ビジョン
テンミニッツ・アカデミー編集部
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(7)AI活用の落とし穴
AIへの不安と懸念…だからこそ「教養」が必要になる
渡辺宣彦
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子