北朝鮮の脅威と日本の国益
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日本の国益にとって重要な北朝鮮とイランには違う問題がある
北朝鮮の脅威と日本の国益(6)北朝鮮とイラン
小原雅博(東京大学名誉教授)
現在はイランにおいても核開発問題が出ている。さらにはイランにはテロ勢力も存在し、核兵器にとどまらない安全保障問題を抱えている。今後の国際社会の平和に大きな影響を及ぼさないためにも、北朝鮮との非核化交渉は絶対に成功させなければならない。(全9話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:9分46秒
収録日:2019年8月21日
追加日:2019年10月25日
カテゴリー:
≪全文≫

●イランの情勢は経済的な繁栄に大きく関わる


―― ここで話題を転じて、もう少し視野を広げてみます。今、核開発問題が出ているのがイランですね。日本の立場からすると、安全保障という面ではもちろん、北朝鮮の核というのは死活的な問題ですけれども、イランも石油の輸入等々を考えれば、経済的には極めて死活的な場所です。両方の違いで言うと、北朝鮮は一応核保有をしているという国であり、イランの場合は今まさに作ろうとしているという国ですね。

 もう一方の要素としてあるのが、アメリカからすると二正面作戦といいますか、中東方面と極東で、両方こういう問題を抱えた時に、優先順位をどうするのかなど、色々な問題があります。これを日本としてどう考えるべきか。これは、かなり難しい問題だと思うのです。

小原 シリーズ冒頭で、日本は国家安全保障戦略の中で、3つの国益を掲げたと言いました。1番目が国家・国民の生存、安全です。そして、2番目の国益というのが国家・国民の繁栄なのですね。つまり、経済的な繁栄というものをどう維持していくかというのは非常に重要です。この国益と深く関わるのがまさに中東なのです。

 日本は石油の多くを中東から輸入しています。今、問題になっているホルムズ海峡というのは、そういう意味で非常に重要なシーレーンに当たっているわけです。ここで何かが起こりタンカーが通れなくなってしまうと、大変なことになるのです。そこでアメリカは、ホルムズ海峡の海上警備に「有志連合」を結成することも企てています。

 イランについては、実は北朝鮮と違ってこうした問題があるのですね。北朝鮮の問題は、第1の国益である国家・国民の生存と安全だけです。一方、イランは日本から極めて遠く、多くの日本の国民からすれば、日本と関係のない話じゃないかと思われるかもしれません。しかし今、ご指摘された通り、石油のことを考えると、非常に重大な日本の国益に関わる問題なのですね。


●アメリカのダブルスタンダート


小原 今言われたように、実はイランはまだ核を持っていません。事実上、北朝鮮は持ってしまいました。だけど現状では、NPT(核兵器不拡散条約:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)という核不拡散体制があります。こういった国際的な枠組みを守っていく上で、アメリカを含め、国際社会は絶対に、今持っている核を公式に持って...

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