北朝鮮の脅威と日本の国益
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
非核化と平和体制の構築は同時に進められなければならない
北朝鮮の脅威と日本の国益(4)非核化と平和体制構築
小原雅博(東京大学名誉教授)
現在のトランプ政権周辺は、北朝鮮への制裁を支持する強硬派が影響力を強めている。しかし、こうした手段は北朝鮮の徹底抗戦を導いてしまう。実際に金正恩氏が求めているのは経済的繁栄である。それゆえ非核化を引き換えにした経済的基盤の提供が、問題解決の糸口となる。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:9分24秒
収録日:2019年8月21日
追加日:2019年10月25日
カテゴリー:
≪全文≫

●現代のアメリカでは強硬派が影響力を強めている


―― これはまさに、リビアもそうですし、北朝鮮も同様ですね。1990年代には、「悪の枢軸」という言葉をブッシュ政権が使いました。これも結局、「悪人の論理」と「弱者の論理」につながる話です。「弱者の論理」の場合は、「彼らは弱者なんだから、その立場を保証してやれば棄てるだろう」という、リベラル的な見方です。もう一方、アメリカのタカ派の側としては、「いやいや、あんな体制が残っていたら、人民の人権を抑圧しているし、かえって人民は不幸せだ」ということになります。

小原 まったくそうですね。

―― こうした体制を叩きつぶさないと、本当の意味での平和はやってこないという議論もあります。その両方のバランスは本当に難しい話ですね。

小原 難しい。だけど、今のホワイトハウス、つまりトランプ政権の周りでは強硬派がかなり強く出ていますね。ジョン・ボルトン補佐官は今言ったような、いわゆるレジームチェンジ(体制転換)をはっきり主張しています。イランの問題でもそうなんです。「こういう相手と交渉しても結果は良くない。だから、力づくでこの体制を倒してしまわない限り駄目だ」という考えです。


●制裁を続ければ徹底的に抵抗することが予想される


小原 ただ、問題は制裁というものをどういった目的、目標と絡み合わせていくのか、それによって制裁がどれだけ効くかということなんです。例えば、制裁の目標がイランの体制を倒すことだとします。あるいは、今の金正恩政権を倒して民主化することだとします。その場合、相手は絶対その制裁に対して、「ああ、参りました」「譲歩します」とは言えないでしょう。

―― もう完全に敗北を意味するわけですね。

小原 そうです。それを避けるために、徹底的に抵抗するでしょう。だから、そうした制裁というのは実は効かないんです。われわれも随分研究してきましたが、過去の制裁で成功してきているものは、ある程度向こうが受け入れ可能なような目標を追求するものです。そうでない限りは、その制裁は効果的じゃないんです。これはもう、はっきり歴史が示しています。

 だから、ボルトン氏が北朝鮮の政権転覆まで考えているようであれば、この制裁は北朝鮮からすれば、絶対「分かりました」と認められるようなものにはならないと思いますね。


●核廃棄と体制保証を引き換えに...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留