国際情勢における日本の安全保障
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
金正恩体制の存続問題こそが決定的な「核心」だ
国際情勢における日本の安全保障(3)朝鮮半島の複雑性
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
金正恩政権へのクーデターの危機が高まっているとすると、それに対して金正恩はどのような手を採りうるか。客観的にみれば、中国の影をちらつかせつつ、場合によっては「アメリカの属国化」という選択肢も視野に入れて交渉するのがもっとも現実的であろう。だが、一方で現在、中国の影は、むしろ韓国のほうで色濃くなりつつある。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:7分47秒
収録日:2019年6月28日
追加日:2019年9月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカのクーデター援助に金正恩はどう対抗できるのか


―― 金漢率(キム・ハンソル)がアメリカの国内に、いま、いるのではないかともいわれますし、まさに先生がおっしゃったようにクーデターの可能性というものが非常に高まっているなかで、逆にいうと、金正恩からすると、そのクーデターの危機にずっとおびえながら政権運営をしていかなければいけない。だいぶ乱暴に粛清もやってきましたし、いつそういうことが起きてもおかしくない状況を金正恩自体が、北朝鮮国内でやっているところもあり、これは彼の立場からすると、前にも後ろにもいけないという、かなり追い詰められた状況になっているようには思いますけれども、そのためにも、いま先生がおっしゃった第3の道というのは、締め上げるにせよ、どうするにせよ、かなり大きな手になりますね。ここで逆に、金正恩の立場になった場合に、採れる手というのはどこにあるのでしょうか。

中西 やはりまずは、アメリカの手を緩めさせることでしょうが、アメリカはそう簡単に緩めません。あるいは自力更生というか、自分の力で経済的に食っていける体制をつくりたいと思っていたのでしょうが、しかしアメリカに制裁されているかぎり、それもできません。おそらく客観的に考えて、「アメリカの属国になりますから、体制を認めてくれ」というような裏交渉を、一生懸命、トランプ政権と行おうと思っているのではないかと、私は考えます。つまり、北朝鮮にとって一番有利なのは、中国との関係でも、「アメリカが北朝鮮をアメリカの勢力圏として、友好国として(俗に言う「属国」ですが)遇してくれるなら、自分たちは核兵器も一切持たず、完全にこの勝負で降りてしまう」ということでしょう。そのときには、恐らく金正恩は海外亡命の約束を取り付けるでしょう。彼は年若いので、どこへ逃げてもなかなか生き延びられないと思いますが。なにせ敵が多すぎます。かといって徹底抗戦をして、国土を灰燼(かいじん)に帰するほどの度胸でアメリカと対するかというと、そうではないでしょう。ですから、展望なく時間を引き延ばしていくことしか、彼には選択肢はないのではないでしょうか。当面は、2020年のアメリカの選挙を睨んで(にらんで)いるのだと思います。

 ですから、アメリカを中心に関係国の周りで、どうも転覆工作の空気が強まっているというのが、一番の圧力になっているの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾