国際情勢における日本の安全保障
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
多国間の安全保障システムを日本が構想せよ
国際情勢における日本の安全保障(4)日米韓の崩れ
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
これまで東アジアの安全保障は「日米韓」の三カ国の枠組みが基軸であったが、もはやそれは維持できまい。となれば、日本が主導するかたちで、多国間の安全保障システムを築いていくしかない。同時に、日本は防衛力やインテリジェンス能力も高める必要がある。そのためにも、経済力・財政力が不可欠なのである。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:8分55秒
収録日:2019年6月28日
追加日:2019年9月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●韓国というパラメーターは、もう捨象するしかない


―― そういうなかで日本として、安全保障的な備えをどうしていくかということですが、これまでは当然、日米韓の三カ国の枠組みでやってきたわけですが、そこも、いままでの軸が崩れつつあります。そういうなかで、今後どのような体制をつくっていけば良いのでしょうか。

中西 外交問題としてははっきりしています。まず、韓国というパラメーターは、もう捨象(しゃしょう)しなければなりません。懸案は懸案として、実務問題として解決していくしかないし、韓国は韓国の道を行き、日本は日本の道を行くという形です。それ以上でもそれ以下でもないという、このドライさと割り切りが一番求められているのでしょう。

 安全保障で言えば、やっぱりいちばん厄介なのは韓国の反日的な風潮です。これが進行しており、対日安全保障こそが韓国の防衛政策の一番の柱であるともみなされています。そのため、韓国では(海上自衛隊の)「いずも」よりも相当大きな航空母艦を建造する計画が表面化してきています。韓国としては、5年内には、今、済州島に建設中の海軍基地がありますが、そこに中国海軍が常時寄港できるようにする構想まであるわけです。もちろんこのことはアメリカが認めないので、米韓同盟がその際、どうなっているかにもよりますが。

 いずれにしても、現場では対馬海峡に恒常的に中国海軍の艦船が通行しています。ですから、われわれとしては古い形の安全保障観念を持っていても、神経衰弱になります。なぜなら、沖縄本島と宮古島の間を結んでいる宮古海峡には、「遼寧」という中国の空母が平気で行ったり来たりしているからです。これについてはもう、「また来たか」と慣れるしかありません。一応、スクランブルしながら追跡し、写真は全部撮る。それが日常と思わなければなりません。しかし、日本海の方に入ってくると少しびっくりします。これはなかなか慣れることが難しいと思います。


●新しい安全保障システムの構築と防衛力の強化


 しかし、今お話しした文脈で言うと、やはり韓国が在韓米軍を置いたまま中国の勢力圏になっていくということです。対馬海峡において中国海軍がアメリカ海軍第7艦隊とすれ違いながら、第7艦隊は南へ行く、中国海軍の艦艇は日本海へ向かって北へ行くという状況になったときに起こりうることは何か。まさか、日本海海戦が起...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
東横インに学ぶ「女性活躍」の秘策(1)女性支配人が支えるホテル
東横インは97%が女性支配人!女性活躍のきっかけとは
黒田麻衣子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨