米中関係を見抜く
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
米中の狭間で日本はいかに進むべきか
米中関係を見抜く(4)日本は世界史の実験場になる
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
中国の「永遠の隣国」である日本は、米中のせめぎ合いの中で、一定の自立性を確保しながら、新たな理想を掲げることで、自らの生きる道を確保していくべきであろう。日本が自立性を保つためには、国力の再生が必要である。それゆえ令和の時代における日本の最重要テーマは、失った経済力を回復させ、良い意味で内向きになることである。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:14分37秒
収録日:2019年6月28日
追加日:2019年9月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●日中関係は宥和傾向にある


中西 対日戦略についても、ものすごくうまくいっていますね。現在ではすでに日中修復を超えて、日中再接近といった状態です。

―― 日中関係については完全に機能が戻ったという話をしていますね。

中西 戻りましたね。安倍政権の標語も、「永遠の隣国」となり、日中修復を一生懸命進めようという姿勢がみられます。こうした動きは、日米関係に亀裂を生じさせるのではないかと、私は逆に心配にはなりますけれども、恐らく中国外交のてこ入れが効いたのでしょう。日本の某政党の幹事長は、やはりこうした情勢をうまく見極めているのだと思います。そのためアメリカだけでなく、中国にも軸足を持たなければならないという判断に至ったのです。これは日本の大きな国益からいうと、これは決して間違っていません。


●中国はアメリカと対等な関係構築を目指している


中西 いずれこの勝負(米中対立)は、アメリカが徐々に宥和されていって、恐らく新型大国関係に向かっていくでしょう。新型大国関係というのは、アメリカがバラク・オバマ政権のときに、習近平が2013年に初訪米し、カリフォルニアで首脳会談を行った際に使われた言葉です。きれいごとで言えば、米中はこれから覇権を争わず、共存共栄できるような新しい関係をつくっていくのだ、2つの大国が並び立つのだ、ということを意味します。「1つの山に2匹のトラは共存できない」という中国の諺があるのにもかかわらず(笑)、こうした少しおかしいな思う標語をつくったのが習近平政権です。

 しかし私は、これは成り立つと思います。なぜかと言うと、今や戦争ができない時代だからです。宇宙開発やドローン、AIなど、あらゆるテクノロジーを用いた大国間の戦争はあり得ません。核相互抑止という次元をはるかに超えて、戦争は考えられないからです。戦争がなければ、大国としての立場を守ろうとする場合、徐々にではあれ共生共存していくしかありません。

 これはものすごく大きな、長期的な視野です。2030年代の終わりから2040年代までのタームをここでは想定しています。恐らく私は、そのときのことを考えると、「永遠の隣国」という安倍政権の標語はものすごく先見の明があり、よく考え抜かれていると思います。ただ、アメリカがしゃかりきになっている現在、この言葉は妥当なのかという政策的な疑問はありますけれども、長期戦略...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(6)世界の英雄神話とその構造分析
知恵か腕力か?…オデュッセウス、スサノオ、アルジュナなど世界の英雄たちの栄光と悲劇
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一