米中関係を見抜く
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中国はアメリカの「孤立化」を仕掛けてくる
米中関係を見抜く(2)強硬策か宥和策か
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
現在のアメリカ対中政策は、中国の長期抗戦に引きずり込まれる形になっている。かといってアメリカは、トランプ政権や一部の学者たちの思惑通り、簡単に対中経済依存から脱出することもできない。だとすれば、アメリカの対中戦略はうまく行くのか? アメリカはけっして「観念」だけでは動かないのである。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:8分51秒
収録日:2019年6月28日
追加日:2019年8月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカは中国の長期抗戦に引きずり込まれた


―― アメリカは、ある意味で泥沼に足を突っ込んだということですね。

中西 そうです。アメリカがまさに日中戦争のような泥沼に足を突っ込み始めているのです。ですから、ここでアメリカが大戦略を持っているのかどうかということが重要でしょう。中国は、やはり「韓信の股くぐり」ではないですが、まず長期持久体制を作る方向へ動いています。これは国内的には相当厳しい試みです。今の中国は、昔とは違いますので、貿易で関税をかけられると、国内の雇用問題が発生していますね。あちこちでストライキや失業者のデモが起こっているようですし、国際収支も危うくなっています。「恐らく2年以内には経常収支が赤字になる」と予測する専門家もいます。ですから、ここでアメリカにグイグイとやられると、とめどもなく中国は苦しくなります。


●中国は国内外の戦略を使ってアメリカに対抗する


―― 中国のとる手段としては、長期抗戦ということで行ったとするとカードが2つありえて、アメリカと宥和的な道を多少進めながら経済も破綻しない程度のバランスでやっていくというものです。これは国内の経済もなんとか前向きにしていくという宥和的な路線です。他方で、毛沢東時代のように敵を明確に設定し、「敵はアメリカだ、国民一致団結せよ」という形で引き締め策に入るという手段もあります。この場合、明治時代の日本の臥薪嘗胆のように、国民に我慢せよというメッセージを出しながら乗り切る硬い路線に向かっていくことになります。恐らく中国としては両方取り得ると思うのですが、先生は中国がどのような道を選ぶと思われますか。

中西 今おっしゃった2つの道は、全く矛盾するものではありません。ですから中国人にすれば、2つの道は両方採用できるはずです。一方で宥和路線のような、譲歩を小出しにしながら国内は締め付け、長期持久体制に邁進する。

 その時の長期持久体制は、国内だけを見ていてはいけません。やはり重要なことは、さまざまな手段を使って国際社会に働きかけることです。日中戦争の経験からすると、結局のところ日米戦争に日本を追い込んでいったことで、中国は日本を打倒しました。それこそアメリカのウォール街に浙江財閥が働きかけたり、蒋介石ファミリーが得意の雄弁をふるい、妻の宋美齢氏がアメリカ議会で演説を行うなどしたことも、効き目が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一