2020世界の政治経済と日本
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
公約に掲げた経済政策を実現させるトランプ大統領の危うさ
第2話へ進む
世界が大変化する激動の2020年、日本はどう対応すべきか
2020世界の政治経済と日本(1)世界の混迷の中心はトランプ
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
2020年現在、トランプ大統領率いるアメリカが孤立主義を取り、中国との間に経済紛争を起こしている一方、EUではイギリスが離脱するBREXITが実現するなど、世界情勢は混迷の一途をたどっている。こうした状況の中で日本はどのように舵を切るべきか、島田晴雄氏が多角的な視点から考察する。今回は、トランプ大統領の政治家としての資質と、彼を取り巻くホワイトハウスの人事に関して詳しく説明する。(2020年1月23日開催島田塾会長講演「2020世界の政治経済と日本」より第1話)
時間:8分39秒
収録日:2020年1月23日
追加日:2020年4月6日
カテゴリー:
≪全文≫

●2020年は歴史家が「世界が変わった」と指摘する激動の年になるだろう


 それでは講演に入ります。2020年1月に入って、世界が急速に動きました。アメリカのトランプ大統領の罷免につながる弾劾裁判が1月21日から始まっています。それから、イギリスのBREXITが1月末に実現し、EUから脱退します。また、アメリカはドナルド・トランプ大統領の指令で、イラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官を爆撃して殺害しました。このように世界は大変なことになりつつあるというような激動が続いています。

 もっとさまざまなことが起こっているのですが、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。実は、その裏では非常に大きなメガトレンドが動いています。そのメガトレンドは、おそらく何十年かあとに、歴史家が「あの時、世界が変わった」と指摘するであろう、大きなものです。この数年の変化です。2017年から始まって、2020年はまさに佳境の大変化が起きています。そういった変化の表象として、先ほど挙げたようなことが起きていると思います。


●2020年世界が大変化するなか、日本はどう動くか


 その大変化の中身は以下の通りです。第二次大戦が終わってから70年から80年近く経過しましたが、そのなかで冷戦時代が40年間ありました。この時は「パクスアメリカーナ」と呼ばれる、アメリカを中心とする、世界の秩序維持システムみたいなものが機能して、曲がりなりにも世界の発展と安定を維持してきました。これは戦後体制と呼ばれますが、これがこの数年で崩れつつあります。世界が多極化して、それぞれの国が国際協力しなくなり、自国中心主義になりつつあります。アメリカは完全に排外主義ですし、ヨーロッパも同様です。

 アメリカのトランプ大統領の登場は、これを象徴しています。彼は「America First」を掲げ、一国中心主義で、国際協力に非常に消極的です。さらに、軍拡志向が非常に強いのです。中東によけいな混乱を起こしています。もはやアメリカは世界のリーダーとしての自覚を喪失したと思います。

 そして、現在アメリカは、中国を相手に貿易戦争から始まったハイテク覇権戦争のただなかにあります。事実上の戦争状態に、トランプ大統領が持ち込んでいます。アメリカと中国は政治の考え方がまったく違うので、おそらく水と油で妥協はお互いに不可能です。これは、長期化すると考えられます。

 2...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(4)日本人の倫理と宗教
世界が驚いた日露戦争の日本の強さ…秘密は庶民の心にある
賴住光子
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
編集部ラジオ2026(7)10分解説!新撰組の魅力とは?
「新撰組」の真の魅力は史実と物語の隙間にあり
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
『孫子』を読む:地形篇(2)敗戦に至る「6つの特性」
「敗の道」と「上将の道」――現場のリーダーの心得として
田口佳史
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
変化する日本株式市場とPEファンド(1)近年急増するPE投資
プライベート・エクイティ・ファンドとは何か…その手法は?
百瀬裕規