2020世界の政治経済と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ポスト安倍は誰になるのか、不透明な後継者問題
2020世界の政治経済と日本(6)安倍首相と後継者不在問題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
2012年から政権を率いている安倍晋三首相は、2019年には日本の憲政史上最長の在位期間となった。安倍一強体制は強固なものとなっているが、反面後継者が誰になるのかいまだに不透明である。安倍首相が後継者を育てようとしないという側面も重要だが、中選挙区制から小選挙区制に変化したことによって、派閥間の競争がなくなったことも、有能な政治家が減った要因であると島田晴雄氏は指摘する。(2020年1月23日開催島田塾会長講演「2020世界の政治経済と日本」より全8話中第6話)
時間:5分51秒
収録日:2020年1月23日
追加日:2020年5月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●安倍首相は最後の花道としてレガシーづくりに力を注いでいる


 では一番重要な日本に関して述べたいと思います。

 安倍首相は、2021年9月に総裁としての第三期目を満了します。その後は引退するのか、それとも解散という手に打って出るのか、第四期を継続するのか、と周囲の人間はいろいろ考えます。二階俊博氏(自由民主党幹事長)は四期目もあるのではないかといっています。あるいは新しい執行部で総選挙を行う可能性もありますが、いずれにしても後継体制がどうなるのかは問題です。

 このくらい長く政権を続けると、誰でも永久に記憶される存在になりたいので、レガシーづくりに励むようになります。加えて、レガシーづくりに一所懸命取り組むと、レームダックに陥らないという効果もあるのです。例えば吉田茂元首相であれば、サンフランシスコ講和条約締結がありました。池田勇人元首相は、所得倍増計画を打ち出しました。佐藤栄作元首相は、沖縄返還を達成しました。田中角栄元首相は、日中国交回復を成し遂げました。これらは全て、永久に記憶されるような業績です。

 安倍首相もさまざまなことに取り組んでいるようですが、一番は日米関係緊密化に注力しています。安全保障協力を非常に強化して、アメリカでは評判が高い。トランプ大統領ともこれまでゴルフなどして、緊密な関係を築いていますが、これも評価できると思います。日中関係も改善されました。これは、実はトランプ大統領のおかげなのです。日露関係に関しても、現在プーチン大統領のもとに、世界で最も足繁く通っているのは安倍首相だそうです。ですので、トランプ大統領率いるアメリカ、中国、ロシアに関して、外交で成果をあげています。

 さらに、インドのナレンドラ・モディ首相や、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とも一番親しいのは安倍首相です。中東まで出掛けて、イランのハッサン・ローハニ大統領とも会談しています。おそらく首脳会談を世界で最もこなしている人は、安倍首相なのです。傑出していますよね。ただ、これがレガシーとして評価されるのかという点については、また考える必要があります。

 国内で安倍首相がおそらくレガシーとして本人が考えているのは、憲法改正です。これは安倍首相の悲願です。自主憲法の制定は、自民党結党の党是ですから。そして、もう一つは経済、アベノミクスでしょうね。アベノミク...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(3)「古くて新しい問題」と雇用の未来
AIは「失業」を増やすか減らすか…創造的破壊か?資本化効果か?
宮本弘曉
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫