トランプ政権の中東政策
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ大統領が認識する中東とは何か?
トランプ政権の中東政策(2)親イスラエルが招く混乱
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
イラン核合意からの離脱を表明した米・トランプ大統領は、1週間後の2018年5月14日に在イスラエル大使館をエルサレムに移転開設した。これによりパレスチナ各地で抗議デモが発生、イスラエル治安部隊の発砲により死者は70人以上とも言われている。この日を選んだのはアメリカの挑発行為とも取れる、というのが歴史学者の山内昌之氏。その意味するところを解説いただこう。(第2話)
時間:11分17秒
収録日:2018年6月14日
追加日:2018年7月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●「イラン核合意離脱」後のトランプ氏の動きは?


 皆さん、こんにちは。前回はアメリカのドナルド・トランプ大統領がイラン核合意から離脱したお話をしました。イランの核開発を阻止し、核保有を延期させるために結ばれた包括的な合意を、アメリカが自ら破棄した顛末についてです。

 もちろんアメリカ側から見て、イランが核開発をして核保有国になっていく状態を好ましいと思っているわけではありません。ですから、核合意脱退宣言の後もトランプ大統領は「中東に平和をもたらす」という大義名分を振りかざし、アメリカが後押しするイスラエルと一緒になって、イランへの各種の制裁や干渉を仕掛けてくることは間違いありません。

 しかし、曲者であるトランプ大統領の場合、「中東に平和をもたらす」と言いながらも、イランに対してどのような形でその担保を保証するのか。その心づもりが見えてこないのが、不安材料になります。


●イスラエルがシリアに空爆をする理由


 アメリカの動きに対してイランが反発して、新しい火種が生まれ、強まっているのが、現在の中東の状況です。ここで留意しなくてはならないのは、イスラエルの存在です。

 イスラエルは、シリアの内戦プロセスにおいてはすこぶる慎重な態度を取り、できるだけ直接的な干渉を避けてきた経緯があります。しかし、現在の不穏危機を深めていく新しい要素として、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の動きがあることについて、少し触れてみたいと思います。

 イスラエルは、これまで大小合わせて200回以上の空爆を、シリアのヒズボラに対して行ってきました。ヒズボラはもともとレバノンで結成されたシーア派イスラム主義組織で、イスラムのジハードにつながる武装組織です。

 よく考えてみると、シリアのような独立した主権の国民国家の中に、平然として隣国レバノンの武装革命組織ヒズボラが存在し、あろうことかシリア内戦にまで関与しているのは、おかしな話です。

 しかし、おかしいといえば、イランの革命防衛隊、とりわけその中核を担うクドゥス軍団(クドゥスはエルサレムの意味)がシリアに入り込んでいることも解せません。また、ロシアのように海軍と空軍を中核とする正規軍の勢力が、公然とシリアのアサド政府軍を援助し、むしろその主体となってシリアで戦っている現状もあります。それらから見ると、少なくとも当人た...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男