トランプ政権の中東政策
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中東への理解欠如が複合危機を進化させる
トランプ政権の中東政策(4)プーチン大統領の中東戦略
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
歴史学者の山内昌之氏が、大国としての影響力を復活させ中東情勢のコントロールをもくろむプーチン大統領の中東政策を中心に解説する。冷戦終結後、国際的な影響力を失ったロシアはプーチン大統領の剛腕を持って、中東における失地回復を遂げた。EU、アメリカ、イラン等の勢力が交差する中東に対する明確かつ巧みなロシアの戦略とは?(全5話中第4話)
時間:10分55秒
収録日:2018年6月21日
追加日:2018年7月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●中東の歴史、文化の理解欠如が複合危機を進化させる


 皆さん、こんにちは。

 ドナルド・トランプ大統領と中東について、いくつか話してきました。もちろん、トランプ大統領としても主観的かつ個人的に、中東での戦争を望んでいるとは考えられません。実際に、北東アジアにおいてトランプ大統領は一時の強硬姿勢をチェックして、その意図や道筋には十分大きな問題があるにせよ、北朝鮮との緊張の緩和に乗り出しているという事例もあります。このことから、トランプ大統領がすぐにイランと事を構える、あるいは中東の危機というものを自らの衝突や戦争によって打開する、といったシナリオをすぐに考えるということはできないと思います。

 しかし、問題は彼が中東の歴史や文化を通して、紛争の根源というものをきちんと本気で理解しようとしていないというところにあります。そのような理解をしようとしない限り、中東複合危機は、ますます深化するばかりだということです。おそらくトランプ氏の考えでは、北朝鮮の金正恩委員長のように、イランも圧力をかけていけばいつか歩み寄りを見せると読んでいるのかもしれません。しかしながら、イランは北朝鮮以上にしたたかな国です。


●北朝鮮以上にしたたかな国イラン


 今回(2018年6月12日の米朝首脳会談)の歩み寄りで、北朝鮮が譲ったものとして具体的に何があるのか、そしてアメリカは具体的に何を得たのか。客観的に見て今回の北朝鮮とアメリカのいわゆる合意というものは、アメリカにとってはまったく得るものがなく、北朝鮮にとっては得るものばかりであり、かつ最もここから得ることのできた最大の勝者は中国であった。おおよそそういう構図が描けると思います。

 イランは国際政治において、1979年のイラン・イスラム革命以来、アメリカのさまざまな圧力や孤立化政策に耐えてきた、そのような経験を持っている、したたかな国です。また、文明論においても、イランは端倪(たんげい)すべからざる国なのです。しかも、その外交攻勢は、むしろEUとアメリカの関係を分断させたり、あるいはEUとロシアの間に亀裂をもたらしたりする。そのようなことをイランは外交のアリーナで展開し、成功してきているという面もあります。

 ですから、国際政治、とりわけ中東政治におけるイランの役割の複雑さというものを、十分に理解しないまま、イランも北朝鮮と同じよう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏