トランプ政権とロシアの関係
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ロシアがトランプ大統領就任を歓迎する理由
トランプ政権とロシアの関係(1)新国際秩序と担任圏構想
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
ロシアがトランプ大統領の登場を歓迎していると歴史学者・山内昌之氏は言う。ロシアはトランプ政権に何を期待しているのか。またトランプ大統領はロシアに好意的な発言を繰り返しているが、それはなぜか。その根底を探ると、トランプ・プーチン両大統領に共通する、ある世界観が見えてくる。(全2話中第1話)
時間:10分41秒
収録日:2017年2月9日
追加日:2017年2月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●ロシアがこぞってトランプ大統領就任を歓迎する理由


 皆さん、こんにちは。ドナルド・トランプ新大統領の挙動が、世界においても、また日本においてもしばしば話題になっております。しかしながら、大変奇妙なことですが、トランプ大統領の就任を喜んだ国が少数ながらあります。それはまずロシアで、もう一つはイスラエルです。ロシアにおいては、エリートや指導者たち、また一般大衆、市民たちもどちらかというと、こぞって歓迎しています。

 この両者、すなわちロシアの指導者と市民たちがトランプ大統領を歓迎するのは、アメリカのメディアがしばしば語っているように、「トランプがクレムリンの手先である」とか、あるいは「ロシアのハッカーである」などということではありません。そうしたことではなく、米露関係の新しい方向が、ロシアによれば、国際的な対立の緩和、あるいはロシア国内の対立の雪解け、こうしたことに貢献するということが期待されているからです。また同時に、トランプ大統領の就任が、ロシアとロシア人の自己利益にかなうと信じているからです。


●歴史的国際秩序の転換にその根拠を問い続けるロシア


 ウラジーミル・プーチン大統領やその政権には、かつて私が幾度となく述べてきたように、歴史の大きなエポックを機会としてロシアが不公平な扱いを受けているという認識が強くあります。それは、社会主義陣営の崩壊と1991年のソ連崩壊が正義にもとるということだけではありません。それだけではなく、歴史と政治の正当性を持たないその崩壊が何かによって正当化された、あるいはある真理と正義によって正当性が証明されたとは、彼らは考えていないということです。

 第二次大戦後の秩序は、第二次世界大戦末期に行われたヤルタ会議でつくられました。こうした秩序を置き換えたのが冷戦終結とソ連解体であったわけですが、こうした大きな国際秩序を置き換える根拠はいったいどこにあったのか。そして、ソ連が解体した後、アメリカが一極支配を強めていった根拠はどこにあるのか。さらに、ロシアは二流の政治的影響力、場合によっては三流の経済的な影響力にひとたび転落していったその根拠とは何か。それを正当化するものは何か。そうしたことについての国際的な文書、あるいは国際的な機構というものはつくられなかったではないか。すなわち、プーチン大統領をはじめとするロシアの指導部...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
国際政治の要諦は戦略とインテリジェンス
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
門田隆将
ドンロー・ドクトリンの台頭(3)脱地政学論と日本への影響
ドンロー・ドクトリンの正体は脱地政学論…日本の進む道は
東秀敏
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
編集部ラジオ2026(4)門田隆将先生「Fukushima50」の真実
【10分解説】福島第一原発事故…吉田昌郎氏と現場の底力
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥