天下人・織田信長の実像に迫る
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「天下再興」に向けた足利義昭の呼びかけに応じた織田信長
天下人・織田信長の実像に迫る(2)足利幕府と天下再興
柴裕之(東洋大学文学部史学科非常勤講師/駒澤大学文学部歴史学科日本史学専攻非常勤講師/ 文学博士)
戦国時代の足利将軍は無力だったといわれるが、足利氏は京都周辺を治め、朝廷や寺社の庇護に努める「天下人」の役割を担い続けていた。しかし、連立を組んでいた三好氏による13代将軍義輝の殺害によって、天下は乱れることになる。「天下再興」に向けて名乗りを挙げたのが義輝の弟である足利義昭。一番に応じたのが織田信長だった。(全11話中第2話)
時間:9分57秒
収録日:2020年3月17日
追加日:2020年7月6日
≪全文≫

●戦国時代の「天下」と「天下人」


 それでは、前回お話しした時代のなかで、織田信長がどのように現れ、どのようなことを成していったのかを見ていきたいと思います。

 それにあたって、もう一度「天下」というものについてお話したいと思うのですが、「天下」というのは京都を中心とした周辺の地域、今風にいえば「首都圏」に当たるわけです。その首都圏を押さえた人物が、当時においての「天下人」というふうにいわれておりました。

 では、戦国時代において、天下人としてあったのは誰か。私たちは、信長や、次の羽柴秀吉、徳川家康という存在に注目しがちですが、実は戦国時代においては、天下人としてすでに室町幕府の将軍であった「足利氏」という存在がいたことを忘れてはならないかと思います。

 つまり、信長以前の足利氏という存在をまず押さえておかなければならないということです。戦国時代の足利氏というと、一般には「傀儡になった」というイメージが強いかもしれません。しかし、実は京都を中心とする五畿内においては、依然として権益保障や紛争解決といったもの行うのが将軍である足利氏であり、さらにその統治機構である幕府も存在していたことが明らかになっています。


●天下人としての足利将軍と連立政権


 そうしたなかで、足利氏は依然として朝廷(天皇を中心とした政治集団)や、朝廷と関わりのある寺社勢力などの存在の庇護に努める「天下人」としてあったことが分かっています。

 しかし、もう一つ押さえておかなければならないのは、この足利氏だけで万全だったのかというところです。実はこの頃の足利氏は、政治力や軍事力において非常に不安定な状況にありました。

 そこで、足利氏はどうしたかというと、当時「畿内」と呼ばれる中央において実力を誇っていた細川氏──もともと「管領」という足利氏を支える補佐役の立場にあった足利の一門や、細川氏の家臣から台頭してきた三好氏と、今風にいえば「連立」を組んだのです。

 連立を組むことによって、足りない部分、特に軍事力の面を補完し合って活動していたことが分かっています。つまり、足利氏を支える存在として、畿内の実力者である細川氏、さらにはそこから出てきた三好氏などの存在がいたわけです。


●将軍足利義輝の殺害と「天下再興」への動き


 そういったなかで中央情勢が動いていったわけですが、永...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
プロジェクトマネジメントの基本(7)アジャイルプロジェクトと成功の鍵
発注側と受注側で異なるプロジェクトの成功・失敗要因
大塚有希子
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(2)国家戦略目標の転換
経済発展から「国家の安全」へ…転換された国家戦略目標
垂秀夫
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
会計検査から見えてくる日本政治の実態(4)「給付金」の教訓
マイナンバーが生かせない…「三層分離」という大変な問題
田中弥生
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純