天下人・織田信長の実像に迫る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
織田信長に与えられた官位「右近衛大将」が意味すること
天下人・織田信長の実像に迫る(4)足利義昭追放から安土城へ
柴裕之(東洋大学文学部史学科非常勤講師/駒澤大学文学部歴史学科日本史学専攻非常勤講師/ 文学博士)
足利家最後の将軍義昭を追放した織田信長は、敵対する勢力の鎮定に力を尽くす。次々に勝利を収める彼のもとへ、やがて朝廷から「右近衛大将」という立場に任命される。これこそは、信長を実力とともに官位の上でも「天下人」と認めるものだった。安土に城を築いた彼は、天下の運営に乗り出していく。(全11話中第4話)
時間:8分12秒
収録日:2020年3月17日
追加日:2020年7月20日
≪全文≫

●足利義昭追放後の織田信長


 元亀四(1573)年七月、織田信長は室町幕府の将軍である足利義昭を追放することになります。一般的には、これで信長はようやく自分の念願としている中央に君臨する天下人へと歩んでいったというイメージが強いかと思います。ところが、実際の信長はどうであったのか。義昭を追放した信長は、その後の室町幕府将軍である足利氏に誰を据えようか、場合によっては義昭と和解して戻ってもらおうかと考えていました。つまり、室町幕府を再び築き上げていくための動きを取っていたことが分かっています。

 義昭を追放にしたことによって信長が天下人に立ったというイメージが私たちにはあるかと思いますが、実はそうでなく、信長自身は、まだ足利氏を立てようとした。そのなかでは、義昭と和解して今までのようにやっていこうということも視野に入っていたことを押さえておいていただきたいと思います。

 ところが、一度切れた関係というのは、なかなか元に戻るのは難しい。将軍義昭と信長との関係は、元に戻ることは結局ありませんでした。信長はさらにどうするかというと、敵対した勢力を鎮めていくことになります。義昭を追放した直後には、越前の朝倉氏、近江の浅井氏、また三好氏といった存在を、信長は次々と討っていきます。

 さらに天正三(1575)年になると、反勢力として敵対してきた甲斐の武田氏を、長篠の戦で破ります。その前年には伊勢の長島一向一揆との戦いもありましたが、今お話ししている天正三年には越前の一向一揆を平定し、本願寺を和睦に追い込むことになります。

 このようにして次々と敵対する勢力に対して優勢な状況を築き上げていくなかで、やがて「織田信長が天下人であるべきではないか」という状況になり、それを感じさせる動きが起きてくるわけです。また信長自身も、それを意識し出します。


●朝廷から賜った「右近衛大将」の意味するところ


 そういったなかで、天正三年十一月、遂に朝廷は信長を「従三位権大納言兼右近衛大将」という立場に任命することになります。これはどういう意味を持っていたのでしょうか。

 「権大納言」という官職は、信長が追放した将軍義昭と同じ立場です。どこが違うのかというと、足利義昭は征夷大将軍という立場で、信長は「右近衛大将」という立場です。これらがどう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
「講義ページ」と「便利機能」の使い方(1)講義ページの便利な使い方
「講義ページ」の便利な使い方…講義テキストの出し方、各話への飛び方、再生速度
テンミニッツ・アカデミー編集部
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(3)ビットコインの革新と矛盾
暗号通貨は従来の通貨と何が違うか…ビットコインの矛盾点
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博