織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
本能寺の変「四国説」の重要人物、三好康長とは?
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(5)四国説
藤田達生(三重大学名誉教授・教育学部特任教授)
本能寺の変の原因として、俄然浮上しているのが「四国説」である。織田信長の四国討伐を阻むために明智光秀が謀反を起こしたというのが「四国説」の骨子であるが、「石谷家文書」の新発見によりさらに脚光を浴びることになった。古文書による同時代の語りを聞いてみよう。(全8話中第5話)
時間:21分31秒
収録日:2018年10月29日
追加日:2019年3月1日
≪全文≫

●「四国説」の重要人物、三好康長とは


 話はそろそろ天正九(1581)年、本能寺の変の一年前に移ります。その前に「四国説」について少しお話をしていきたいと思います。

 この説が脚光を浴びるようになったのは「石谷家文書」等によるものです。明智光秀は一貫して長宗我部氏を使って、四国から西国の統一をうまくやっていこうと画策していました。しかし、羽柴秀吉との摩擦や派閥抗争へという流れの中、それはなかなかうまくいきづらくなっていきます。

 前回で見たように、当時の秀吉は播磨・姫路を中心に、西に向けて宇喜多氏との連携を意識して進む最中でした。中国地方のみならず、淡路や四国の一部にまで勢力を扶植しつつあり、この段階で、四国の勢力として阿波を中心に力を持っていた三好氏との接触が始まります。三好康長との深い付き合いです。

 三好氏は、織田信長が入京する前に天下人だった家です。阿波(徳島)の三好長慶が畿内を中心に十カ国以上にも及ぶ勢力を誇っていた時代があったのですが、信長が入京することで三好氏は勢力を減じていきます。対立もありましたが、やがて一族の康長が信長と結ぶことによって、三好氏も何とか滅亡を免れました。

 しかしながら、三好氏の本国・阿波に向けて長宗我部氏がどんどん勢力を拡大してくると、これに一方的に押され、非常に困難な状況に直面しています。そのような中では、羽柴秀吉の動きが非常にありがたかったのだと思います。秀吉は播磨から海を越えて淡路島、さらに四国と勢力を伸ばしています。康長はこの動きに追随しようと、羽柴ー三好ラインを成立させていました。


●毛利氏に対抗する「水軍力」としての三好氏


 時期的に史料がなく確定はされていませんが、羽柴秀吉の甥である秀次を三好康長が養子に入れるのも、おそらくこの時期だろうと推定されています。

 このように、三好と羽柴が連携をしていく動きは、秀吉からすれば、さらに西に進んでいくときに、どうしても必要になる水軍力を満たす意味がありました。敵方の毛利氏は「村上水軍」などを持っており、陸だけではなく瀬戸内海でも相当力を持っていたといわれています。

 水軍力というのは、練習をしていきなり力を付けられるものではありません。尾張から水軍(海賊)を連れていって、どうにかなるものでもありません。そこで目を付けたのが「三好水軍」だったのでしょ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(3)救った人数とゴールデンブックの謎
樋口季一郎のユダヤ難民救出数は?ゴールデンブックの謎は?
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(8)シオニズムとユダヤ教
シオニズムは伝統的なユダヤ教とは異質…イスラエル建国の背景
鶴見太郎
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将