信長軍団の戦い方
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
織田信長のシーレーン構想を明智光秀が理解していたら
信長軍団の戦い方(2)シーレーン構想と明智光秀の謀反
「ときは今」と発句を詠み、主君である織田信長を自刃に追いやった明智光秀。彼が謀反を起こした理由は何か。そして、なぜ、三日天下と言われるほどの早さで天下人の座を豊臣秀吉に奪われたのだろうか。歴史に「もし」はないが、シーレーン構想など信長の戦略性を少しでも光秀が引き継いでいたなら、歴史は変わっていたかもしれない。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分00秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2020年3月3日
≪全文≫

●なぜ、明智光秀は裏切ったのか


中村 「高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候」と安国寺恵瓊が予言した通りの人生を織田信長は歩んだ。明智光秀の裏切りがあったからですが、この人にはついて行けない、いくら忠義を励んでも、やられるときはやられると家臣が思ってしまうようなところが信長にはあったのです。

―― 捨てるときはスパッと捨ててしまう、と。

中村 そうですね。佐久間信盛・信栄親子は「お前らは5年間大坂に張り付いていながら、何もしなかった。とっとと高野山に登るか、(討死して)腹を切るか、どっちかにしろ」と凄まじいせりふで信長から脅かされて、慌てて高野山に行きます。その後間もなく信盛は死んでいますが、ショックで寿命が短くなってしまったのではないでしょうか。もう少し佐久間家に対するやり方があっただろうにと思います。

―― 仕えている身からしたら、たまらないですね。

中村 はい。明智光秀にしても、丹波をもらったと思ったら、丹波は1回取り上げるので、また次へ行けと、常にエンドレスに最前線に立たされ、安住の地はどこにもない。にもかかわらず、失敗したらめちゃくちゃやられる。成功して、国家の治国平天下に役立つのが、当時の戦国の武士道なのですが、その目的をいつ果たせるか分からないような非常に不安な状況に追い込まれていくわけですね。

 もちろん、なぜ、光秀が信長を裏切ったのかについては百人百説あるのですが、信長に対する敬愛の念が抱けない、どんなに頑張ってもやられるときはやられるのではないかという不安感があったのではないでしょうか。加えて、戦国の世に生まれ落ちた人間として、あるときまでは最有力者を支える立場でいるけれども、どこかで追い抜いて、自分が上に出たい、天下人になるゲームに参加したいという気持ちは誰もが持っていたと考えられます。

 例えば、蒲生氏郷は非常に信長にかわいがられて、秀吉政権になってから、100万石近い大所帯である会津をもらったのですが、会津へ行けと言われた時に、クククッと泣いた。会津はあまりに遠い。近畿および京阪の近くにいれば、一朝事あるときにはすぐに京都に旗を立てて、天下人争奪のゲームに参加できる。会津にいては参加できないと言って泣いたのですね。もちろん、蒲生氏郷は、信長にも、秀吉にも忠義を尽しているけれども、チャンスがあれば天下人になりたいという...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ