信長軍団の戦い方
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
織田信長を支えた母衣衆に見る戦国のダンディズム
信長軍団の戦い方(1)母衣衆と織田信長の残忍性
戦国の武将として多くの人がその筆頭に織田信長を挙げるのではないだろうか。天下布武を掲げ、時にはあまりに非情な戦略をとったことでも有名な信長。彼を支えた母衣衆の特徴、そして越前朝倉氏を滅ぼした戦い、伊勢長島の一向一揆などの殲滅戦を解説する。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分26秒
収録日:2019年11月6日
追加日:2020年2月25日
≪全文≫

●鉄砲と柵木がもたらした一本勝ち


―― 皆様、こんにちは。本日は中村彰彦先生に、「信長軍団の戦い方」というテーマでお話を伺いたいと思っております。先生、どうぞよろしくお願いします。

中村 よろしくお願いします。

―― 信長というと、いろいろな戦いにおいて革命を起こしたイメージが非常に強いのですが、具体的にはどのような戦い方をしてきた男なのでしょうか。

中村 中学、高校で習うのは、長篠の戦いにおける鉄砲3000挺ですね。「3段撃ちをした」「いや、そうではない」とか、いろいろ言われています。いずれにしても鉄砲を3000挺持っていただけで大変なことなのです。

 ここでは、鉄砲をどうやって使ったかを少し深く考えていきましょう。あの時は出動を命じた武将たち及び家来たちに、柵木(さくぼく)を1本、必ず持ってこいと伝えています。

―― 柵木、つまり木ですね。

中村 また、それを結びつける縄を1把持ってこいと指示したことが『信長公記』という史料に書かれています。1本1本持ち寄ったのを柵木にして、横木を渡して、それを全部縄で結わえ付ける。それで2段、あるいはところによっては3段にして、しかも鍵の手に、兵隊が出入りできるような出入口もつくった。

 長篠の合戦の特徴は鉄砲だとひと言で言っては、見落としてしまうものがあります。信長は、柵木をずらっと並べて、敵の騎馬軍団が入れない形にして、1騎1騎を狙い撃ちにしていく手法を考えた。要するに、鉄砲3000挺プラス長大で堅牢な木柵、馬防柵という言い方もしますが、この2つがセットになったときに、長篠の合戦の一本勝ちが約束されたわけですね。

 ではなぜ、信長は馬防柵をつくるという発想をしたのかを調べていくと、実はこれは昔から信長がやっていた発想だったことに気づきます。

 まだ織田家が今の愛知県を統一する前、岩倉城にも織田家があって、清洲の信長と対立していました。その岩倉城を信長が攻め寄せた際、岩倉城は小さな城ですから、四面を囲める。城と囲いを漢字でなぞると、「回」という字に似た形になりますが、つまり、四辺形の柵で囲ってしまうわけですね。そして、城の中がひもじくなって、馬防柵から抜け出して、食糧を探しにいこうとか、別のところへ逃げようとする者がいたら、鉄砲で待ち伏せしているので、全部射殺する。そういうふうにして、信長は岩倉織田氏を降伏に追い込んでいま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
信長軍団の戦い方(1)母衣衆と織田信長の残忍性
織田信長を支えた母衣衆に見る戦国のダンディズム
中村彰彦
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地
全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機
佐橋亮