織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
実力主義の織田家中で巻き起こる重臣たちの激しい派閥抗争
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(6)派閥抗争
藤田達生(三重大学名誉教授・教育学部特任教授)
これまで学校の社会科の授業では、「本能寺の変」を明智光秀の単独謀反と教えられてきたはずだ。しかし、新旧の勢力が入り乱れた中国・四国の情勢、その様子を瀬戸内海の真ん中からうかがう「鞆幕府」などの思惑を考えると、事はそう単純ではなさそうだ。同時代人の記した文献には、どのような人物の名が挙がっていたのだろうか。(全8話中第6話)
時間:12分35秒
収録日:2018年10月29日
追加日:2019年3月8日
≪全文≫

●「天下を狙う」のは戦国武将の当然の考え?


 本能寺の変について、一般的には明智光秀の単独謀反説が長らく語られてきたと思います。しかしながら、事はそれほど単純ではないことが、これまでの5話で明らかになってきたのではないでしょうか。

 光秀については、正確な年齢は分かっていません。織田信長よりは少し年長であろうから、この頃は50代、さらには60代の初めぐらいではなかったのかと主張する研究者もいます。

 「天下を狙う」のは戦国武将なら当然だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。天下を狙うには一定の力量だけではなく、なぜそんなことをしなければいけないかという理屈、いってみれば一つの国家案がなければ無理です。また、それがなければ、そんなことをする必然性はありません。ですので、隙を見せたから天下を狙うというようなことは、当時においてはまず考えられないことです。

 光秀は実際にクーデターを起こすわけですが、そこには当然悩みはあったものの、最終的には、なぜそのようなことをしたのか、そのことを世の中に向けて広く説明し、納得してもらえるような正統性をもって事に臨んだはずです。すでにお話ししてきたように、足利家直臣の「奉公衆」という家柄に生まれていたため、彼自身も将軍家に奉公した可能性が高いといわれています。そういう彼が足利義昭との関係を正統性に掲げてクーデターを起こしていったことは、かなりの確度でいえるのではないのかと思えます。

 しかしながら、これにはいくつかの要因があったと考えるべきです。世には「なんとか説」というものが多いのですが、これだけの歴史的なクーデターが一つの理由によって行われることはありません。このシリーズではすでに四国説に関わる話をしてきましたが、やはりそれだけではありません。今回は派閥抗争について触れていきたいと思います。

 これについても、羽柴秀吉ー三好康長というライン(派閥)が徐々に力を持ち始め、特に西国における信長の外交方針を決めていくような立場を獲得しつつあると同時に、明智光秀ー長宗我部ラインを追い込んでいく動きがあったことは、すでにお話ししてきた通りです。


●変の首謀者と目される明智家重臣・斎藤利三


 織田信長は、天正八(1580)年から十(1582)年にかけて、天下統一が徐々に見え始めてくると、統一後の政権構...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ