天下人・織田信長の実像に迫る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「天下布武」に込められた室町幕府再興への織田信長の想い
天下人・織田信長の実像に迫る(3)「天下布武」と室町幕府再興
歴史と社会
柴裕之(東洋大学文学部史学科非常勤講師/駒澤大学文学部歴史学科日本史学専攻非常勤講師/ 文学博士)
「天下布武」には、織田信長が武力をもって全国を平定しようとした勇ましいイメージが伴うが、実際は少し異なる。最近の研究では、実際に「幕府による天下再興を成し遂げる」という意思が込められていたことが解明している。上洛した足利義昭と信長は三好勢を制し、周辺地域の紛争解決にも連立して乗り出していくのだが、果たして。(全11話中第3話)
時間:11分12秒
収録日:2020年3月17日
追加日:2020年7月13日
≪全文≫

●「天下布武」の意味合いを再考する


 そういったなかで実際どのように進めていったかというと、永禄十(1567)年八月、織田信長は美濃の稲葉山城を落とします。さらに九月に美濃国を平定した上で、岐阜に拠点を移していきます。

 そして、注目していただきたいのは、その十一月頃から「天下布武」という印章を信長が使い出しているということです。

 一般に「天下布武」というと、どう解釈されているのかというと、信長はこれから武力によって全国を平定していくのだ、というイメージがなされているかと思います。

 でも、本当にそうなのでしょうか。これまでにもお話ししたように、この頃の「天下」という言葉は、日本の全国を意味していません。この頃の「天下」が意味するのは、京都を中心とした日本の中央です。

 そうしたなかで、もう一度注目していただきたいのは、信長はもともと足利義昭を連れて天下を再興しようとしていたわけですが、それに失敗したのだというところです。それを押さえた上で、この「天下布武」を使い出したのはどういうことかを考えてみます。

 それは、今度こそ「天下布武」すなわち「天下再興を成し遂げる」ということを世間に強くアピールし出したのではないか。そして、義昭の求めている室町幕府の再興を通じて天下再興を実現するという意思を「天下布武」として刻み、そこに込めたのではないかということです。

 そうしたなかで、情勢は信長によって動いていくことになります。このような信長を頼りに、義昭は信長の元を訪れるようになります。再度、義昭に力を貸すことになった信長はどうしたかというと、義昭を擁して九月から上洛に動いていくことになります。


●足利義昭・織田信長の上洛と「征夷大将軍」宣下


 (永禄十一年)九月二六日、信長は義昭とともに京都に入ります。一般的にはここが注目されるところなのですが、実は九月二六日に入って、義昭・信長が京都を一時占領する状況となります。ただ、この後の動きも見ていくことで、上洛の本当の意義が見えてくるのではないかと考えます。

 この後、義昭と信長は京都にあって、敵対する三好氏の平定を進めていき、九月末には、三好氏の拠点であった摂津の芥川城という城を攻略します。そこで、義昭は自分に味...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
編集部ラジオ2025(18)音楽って実は数学でできている?
動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!
テンミニッツ・アカデミー編集部
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済(1)田沼意次の生い立ちとその時代
田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る
養田功一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(1)国際秩序の転換点と既存秩序の崩壊
経済秩序や普遍的価値観を破壊し、軍事力行使も辞さぬ米国
佐橋亮
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将