各種ハラスメントへの対策が求められる中、若者とのコミュニケーション方法に悩むリーダー層も多い。例えば、近年「Z世代」と呼ばれるようになったが、彼らは昔の若者たちと何が違うのか。また、何を大切にし、どうありたいと感じているのか。これらを踏まえ、若い世代からの相談や悩みに対して適切に向き合うためのコツも合わせて解説する。(全2話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
組織心理学~若者とのコミュニケーション
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
経営ビジネス
山浦一保(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授/博士(学術:広島大学))
時間:15分24秒
収録日:2023年6月21日
追加日:2023年12月22日
収録日:2023年6月21日
追加日:2023年12月22日
≪全文≫
●「Z世代」は従来の世代と何が違うのか
―― 山浦先生は大学で教えていらっしゃるので、今の若い世代の方々と触れ合ったり、コミュニケーションを取られたり、指導されたりする機会が多いと思います。今の企業では、若者が分からない、どういうふうに付き合えばいいのか分からないという声が…。
山浦 「Z世代」ですね。
―― 下手に話しかけると、もしかしたらハラスメントと思われてしまうのではなかろうかなどと、どう距離を取り、どう人間関係を作っていいのか悩んでいる方も多いと思います。
『武器としての組織心理学』と表題にもありますが、組織心理学を学んでいる先生として、今の学生をどう見ておられるのか。「実はこういう側面もある」というようなことがあれば教えていただきたいですし、付き合いのコツのようなものも教えていただきたいと思います。そういうところでは、どうでしょうか。
一般的には「今の若者はこうだよね」「ゆとり世代だからこうだ」のような議論があります。そのように言ってしまうのもどうかと思いながらも、半面、心のどこかでは「うん、そうかもしれない」と思うところもあり、非常に難しいところです。先生はそのあたり、どのようにお感じになりますか。
山浦 うーん……日々付き合わせていただいていますが、多分本質は変わらないと思っています。
―― それはどこと変わらないのですか。
山浦 私の世代あるいはそれ以降しか分からないことですが、両親や祖父母の世代の若者の時の話を漏れ聞いたところを考えあわせても、本質的にはそんなに変わらないと思っています。
ただ、毎年18歳が入ってくるのに対して私ばかりが年を取ってきているので、(感覚的に)鈍っているのかもしれません。なんとなく毎年、若者が入ってきている状態を数多見ていますから、「ゆでガエル」状態で、あまり気づきがないのかもしれません。
―― どちらかというと(先生が)若者寄りの発想になっている可能性もあるということですか。
山浦 よくいえばそうかもしれませんが、中途半端ということかもしれません。
―― でも、「本質は変わらない」という先生のお話は非常に重要だと思います。違うものであると見てしまうと、かえって理解の端緒さえ取れなくなる可能性もありますよね。
山浦 そうですね。基本的に「人とよりよく過ごしていたい」ところは、何も変わらない。「...
●「Z世代」は従来の世代と何が違うのか
―― 山浦先生は大学で教えていらっしゃるので、今の若い世代の方々と触れ合ったり、コミュニケーションを取られたり、指導されたりする機会が多いと思います。今の企業では、若者が分からない、どういうふうに付き合えばいいのか分からないという声が…。
山浦 「Z世代」ですね。
―― 下手に話しかけると、もしかしたらハラスメントと思われてしまうのではなかろうかなどと、どう距離を取り、どう人間関係を作っていいのか悩んでいる方も多いと思います。
『武器としての組織心理学』と表題にもありますが、組織心理学を学んでいる先生として、今の学生をどう見ておられるのか。「実はこういう側面もある」というようなことがあれば教えていただきたいですし、付き合いのコツのようなものも教えていただきたいと思います。そういうところでは、どうでしょうか。
一般的には「今の若者はこうだよね」「ゆとり世代だからこうだ」のような議論があります。そのように言ってしまうのもどうかと思いながらも、半面、心のどこかでは「うん、そうかもしれない」と思うところもあり、非常に難しいところです。先生はそのあたり、どのようにお感じになりますか。
山浦 うーん……日々付き合わせていただいていますが、多分本質は変わらないと思っています。
―― それはどこと変わらないのですか。
山浦 私の世代あるいはそれ以降しか分からないことですが、両親や祖父母の世代の若者の時の話を漏れ聞いたところを考えあわせても、本質的にはそんなに変わらないと思っています。
ただ、毎年18歳が入ってくるのに対して私ばかりが年を取ってきているので、(感覚的に)鈍っているのかもしれません。なんとなく毎年、若者が入ってきている状態を数多見ていますから、「ゆでガエル」状態で、あまり気づきがないのかもしれません。
―― どちらかというと(先生が)若者寄りの発想になっている可能性もあるということですか。
山浦 よくいえばそうかもしれませんが、中途半端ということかもしれません。
―― でも、「本質は変わらない」という先生のお話は非常に重要だと思います。違うものであると見てしまうと、かえって理解の端緒さえ取れなくなる可能性もありますよね。
山浦 そうですね。基本的に「人とよりよく過ごしていたい」ところは、何も変わらない。「...