組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方
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いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る
組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方(1)いい妬み・悪い妬み
山浦一保(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授/博士(学術:広島大学))
「妬み」という感情は古くから人間に存在するものだが、それが現代社会において組織にどのように影響するのか。「妬み」は普段表に出ないネガティブな感情だが、なければいいというものでもない。実はその感情があるからこそ、危険を察知することができ、リスクを回避することができると山浦氏。そして「妬み」には、「いい妬み」と「悪い妬み」の2種類があると言う。それぞれどのようなものなのか。心のふたをそっと開けて、その感情について考えてみよう。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分08秒
収録日:2023年6月21日
追加日:2023年11月3日
≪全文≫

●表に出せない「妬み」という感情


―― では、山浦先生、続きましていよいよ各論ということになります。まずは「妬み」。

山浦 ああ、来ましたね(笑)。

―― 妬みというテーマから行きたいと思いますが、おそらく人間でいて妬みを覚えたことがない人は、きっとあまりいないですよね。

山浦 うーん。そうかなと思いつつも、なかなか思い当たらないという気にもなっているかもしれません。

―― それは、どういうことですか。

山浦 妬みというのはかなり古くからあるようです。しかし、それは道徳的によろしくない、そういう感情を表現する自分が嫌になる、ということがいろいろよぎって、皆なるべく隠そうとする。あるいはそれを認識しないように過ごす術を持っている。そのようにいわれていますので、なかなかピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。

―― そうなのですね。でも、確かに「隠さなきゃ」とか、「こういうことを思っちゃいけないんだよね」と思いながら、やはり心ではどうしても「何か違う」と感じてしまうケースが、皆さん結構おありではないかというところもあります。

山浦 おそらく、そうでしょう。

―― そこが、難しいわけですね。表面には出てこないけれども、人間としてついついやってしまうことがあると。

山浦 そうですね。いいマネジメントの手法を使っているのに、なかなかいい方向に回転していかないようなとき、もしかすると、そのチームのどこかにそういう感情が眠っていたり潜んでいたりするかもしれないということです。

 こういうあまり意識していない感情、心の揺らぎというものは、ご自身の身体的な部分に思いがけず悪影響を及ぼすこともあります。それで、いつの間にか病気になりがちだったり、心が病んでしまったり、あるいは対人関係がどうしてもうまくいかなくなるようなことが生じてしまうことも今、分かってきているところです。


●いい妬みと悪い妬みの2種類がある


―― そのあたり、実は「見えない世界」だった部分にあえて光を当てることで、原因が見えてくるところもあるでしょうね。あとは、前もって結論部分を言ってしまうようですが、「なくせばいいというものでもない」ということになるのですよね。

山浦 そうなのです。そういうものは、一見あまりきれいな感情とは見えないものですよね。けれども、どうして古くからずっとそれを人...

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