組織心理学~若者とのコミュニケーション
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
『寅さんの教育論』――山田洋次監督から学んだ大事な教え
組織心理学~若者とのコミュニケーション(2)自信をもたせることの大切さ
山浦一保(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授/博士(学術:広島大学))
若者や部下が相談してきたときに、聞き手である上司や先生、先輩などがつい話し過ぎるのはよくある失敗である。相手の話の辻褄が合わなくても、それなりのストーリーがあることを理解し、想像することが大切だ。最後に山田洋次監督の『寅さんの教育論』を紹介するが、大事なのは自信をもたせることである。(全2話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分37秒
収録日:2023年6月21日
追加日:2023年12月29日
≪全文≫

●聞き手はしゃべりすぎない、話し相手の「ストーリー」を尊重する


―― 先生のお話でいうと、一般の、心理学に関する素養がなく、あまり勉強していない人が気をつけるべきことは、まずは打ち解けたあとで沈黙するというのが、ひとつのキーワードになりますか。

山浦 待つということですね。待つということは、自分の成長の中でも大事にしてもらってきた気がしているので、大事だと思います。心の準備は人それぞれにタイミングが違うことも、いろいろスポーツを見せてもらっている中で感じますので、それはとても大事にすべきでしょう。

 その後もしゃべりすぎない。だいたい気づくと、相談事のときは、聞き手だったはずの方、相談される方のほうが7~8割しゃべっていることがあるのですね。

―― おそらく一般的にはそういう方が多いですよね。特に上司・部下になると、とかくそうなりがちです。

山浦 そうです。私も昔そういう経験をしたことがあるのですが、それではかえって時間がかかります。学生がなかなか腑に落ちなくてスッキリしないので、ずっといる。ですから、やはりそこはグッと堪えないといけないのだと思いました。逆の割合にしないといけないと思います。

―― 非常に初歩的なスキル論になるかもしれないのですが、そういうときの相槌はどうされるのですか。

山浦 相槌は普通に「ふーん」と打ちます。

―― 共感を示しながら、という感じでやると。

山浦 そうですね。「ええっ?」ということはしないのです。

―― 「何言ってるの?」みたいな話ではなくて、とにかくもう聞いている、ということになるわけですね。

山浦 そうですね。それが全てです。「ちょっと、どうかな」というときももちろんあります。でも、話を聞いていると、目の前で相談している人の中には一つのストーリーがきちんとできている。それを理解した上で、アドバイスを求められたら答えられるようにしておかないと、多分腹落ちはしないだろうという感じがします。

―― そうですか。聞いていて変な箇所が出てきたとしても、その人のストーリーの中では、それがつながっている。もしかしたら、そのストーリーの中では変ではないのかもしれない、ということがあるわけですね。

山浦 そうなのです。端々にたくさんの背景要因があるはずであり、20~30分でそれまでの数年間を語り尽くせるわけがないのです。そこを...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
プロジェクトマネジメントの基本(3)プロジェクトのすすめ方
PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
編集部ラジオ2025(30)西野精治先生に学ぶ「熟睡の習慣」
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国共産党と人権問題(2)中国共産党は超法規的存在?
国家の上に存在する中国共産党はどのような組織なのか
橋爪大三郎
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑