もっと知りたいイヌのこと
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
イヌは人間の言葉を理解できるか…嗅覚と知能と愛着形成
もっと知りたいイヌのこと(2)イヌの知性に迫る
長谷川眞理子(総合研究大学院大学名誉教授)
人間のパートナーとして進化してきたイヌの知性について、われわれはどこまで知っているだろうか。まず、その世界認識は嗅覚に始まるが、身体や顔の構造上、制限される能力も多い。「しつけ」の途中で感じる「イヌは人間の言葉がわかっているの?」という疑問は、どこまで解明されているのだろうか。(全3話中第2話)
時間:12分21秒
収録日:2023年3月29日
追加日:2023年6月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●イヌの世界認識は「嗅覚」に始まる


 さて、イヌは何より嗅覚だといわれます。嗅覚ではあるけれど、人間よりもそれほどすごいわけではないらしいです。これは、人間の嗅覚が結構すごいということです。ではなぜ警察犬などにイヌを使うのかというと、かれらは4本足、つまり四つ足で歩く。体高が低くて、地面の近くを嗅ぎ回るので、(成果を)あげられるのです。

 人間も四つん這いになって同じようにすると、結構嗅ぎ分けもできるし、追跡もできるのだそうです。ただ、人間はそういう歩き方をしないので、イヌを使っているという感じだそうです。とはいえイヌが嗅覚主体の動物だというのは、その通りです。人間は霊長類、猿なので、視覚が主体の動物です。

 ですので、イヌはすべて嗅覚をもとにいろいろな認識をするけれども、人間は視覚をもとに認識するというふうに、感覚のモードが全然違う。ときどき、うちのイヌが一体何を考えているのかよく分からなくなるのは、主流となる感覚モードの違いがあるのかもしれません。

 イヌは視覚もいいのですが、暗さや明るさに関するところが人より感度が悪く、あまり明るいとよく見えないようです。なので、昼間ギラギラのところで散歩して家に帰ってきて暗くなると、結構見えにくいようです。イヌとヒトでは、そのような視覚の違いもあるので、同じように見ているわけではないようです。

 さらに触覚についても、口の触覚や手足の裏のほうの触覚など、いろいろありますが、私の観察によると、これも人間とは違っているようです。

 人間は二本足で歩き、足の裏ですべてを支えて、体をいろいろな角度に動かすことができます。それから、口が引っ込んでいる。鼻が一番高くて口は引っ込んでいるのですが、イヌはそうはなっていません。だから、イヌには自分自身の体の全体像は、なかなか見えづらいわけです。

 人間は後ろも見られるし、自分の足の裏も見られる。そういう感覚が、「自分とは何か」ということにも関係するのですが、イヌはそれがだいぶ制限されているように思います。


●イヌの知能と個性とは?


 イヌの知能や個性というのも、さすがに3頭飼うとよく分かります。記憶は非常にいいです。何かの物体とある現象が起こった関係を結びつけて学習することは、とても早くて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者
「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れる逆境の意味
津崎良典
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏