新撰組と幕末日本の「真実」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
田舎のヤンキー像は大違い…日野の豊かさと文武両道の気風
新撰組と幕末日本の「真実」(3)「日野と多摩」の風土と天然理心流
とかく、ヤンキー的で田舎の百姓集団としてのしあがってきたイメージを持たれやすい新撰組。しかし、彼らの拠点だった多摩地域、特に日野の地理的・文化的な豊かさを見ると、その印象はがらりと変わることが分かる。江戸時代に徳川家康が武田家の遺臣を集めて組織した将軍の直臣である「八王子千人同心」の実像なども踏まえつつ、多摩地域の特徴を解説する。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:10分05秒
収録日:2026年1月15日
追加日:2026年3月18日
≪全文≫

●日野は稲作が盛んで水にも恵まれた豊かな農村地帯だった


―― ちょうど今までのお話で、だいぶこれまでのイメージが変わってきたところがありました。前のお話でもあったのですが、どうしても新撰組といいますと、田舎の百姓集団、しかも描かれ方によってはヤンキー的な、「バラガキ」という言葉もございましたけれど、そういう人たちがのし上がっていくというイメージで描かれることが多いのです。

 この日野宿本陣に来ますと、「(こんなに豪壮なのに)のし上がっていくとは、どういうことなのかな?」と感じるところもあるのですが、このあたりの実像はどうなのでしょうか。先ほどもお話がありましたけれど、多摩の地域は相当豊かな地域ではあったわけですよね。

松下 文化的には豊かなのですけれど、物理的にどうかというと、(これも)日野は豊かなのです。

―― そうなのですね。

松下 (ただ、)周辺は実はそうでもなくて、日野に来るまでに(JR)中央線に乗ってこられることが多いと思うのですけれど、中央線に乗ってくると(日野まで)田んぼは(見え)ないのです。

―― なるほど。

松下 今は見えなくなってしまったのですが、20年ぐらい前までは新宿から中央線に乗って、最初に田んぼが現れるのは日野だったのです。これは開発されてなくなったのではなくて、立川より手前にはもともとなかったのです。

―― それは地質の問題とかですか。

松下 そうですね。地質的に田んぼが非常に作りにくいということです。武蔵国の中で見ると、多摩郡は決して物質的に豊か、農作物がたくさん穫れる土地ではないのです。ところが、日野は多摩川があって、この多摩川の一番大きな支流の浅川という川が土方歳三の家のすぐ近くで合流しているのですけれど、この2本の川に挟まれたお陰で上の痩せた土地がうまいこと削られて、稲作に適した豊かな土地が日野は多摩では一番広く外に出ているのです。

 あとは水も非常に得やすいのです。武蔵野台地は井戸を掘っても水が出ないという、非常に水を得るのが難しい土地だったのですけれど、日野は出るのです。台地がうまく削られていて、そしてすぐ用水も引っ張ってこられるということで、非常に稲作が盛んな土地です。

 今の立川の北のほうに伝わっている伝承によれば、娘を嫁にやるなら日野にやれ、日野に行けば米のめしが食えるという話が残っているぐらい、日...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(1)厚木飛行場に降り立った占領者
敗戦した日本の武装解除はなぜ無血だったか…その背景とは
島田晴雄
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
Human Co-becoming…耳障りな言葉が新しい概念を生み出す
中島隆博