イスラエルの歴史、民族の離散と迫害
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
近代イスラエル史に続き、古代イスラエルの歴史を年代を追ってさらにひもとき、ユダヤ民族離散と迫害の歴史を島田晴雄氏が解説。イスラエル建国の意味を考え、イスラエルの今を知るために必見の歴史講義の前編。(全5話中第4話目)
時間:20分37秒
収録日:2013年10月4日
追加日:2014年8月1日
≪全文≫

●イスラエル建国という悲願の中、育まれたメサイア信仰


 今回はイスラエルの歴史、特に古代イスラエルの歴史をたどってみたいと思います。ローマ軍に滅ぼされてユダヤ民族が離散をし、世界中を放浪する。しかも迫害を受け続けながら、1900年間にわたって大変な生活を強いられてきた。それがその後のイスラエルの「自分の国を作らなければならない」という強い希求につながり、その間ユダヤ民族のアイデンティティを維持し続けるという、世界の民族の中で異例とも言える強い民族へのこだわりの中で生きてきた。その歴史を理解しないとイスラエル建国のために第一次世界大戦後、そして第二次世界大戦中、続く戦後の大混乱の中で心血を注ぎ、ともかくなんとかイスラエルを建国したということの意味が理解できませんので、古代に思いをはせてみたいと思います。

 ユダヤ人は、ユダヤ教を作った民族で、ユダヤ教はおそらく人類の文明史の中で初のはっきりした一神教と言えます。当時はユダヤ人の多くがエジプトのファラオの元で奴隷となっていた時代だと言われています。紀元前13世紀くらいのことです。当時のエジプトは世界の最先進国ですから、ピラミッドを作ったり、大変な技術を持って、国力を有し、繁栄を享受していました。大エジプトには巨大なナイル川があって、1年に一回大氾濫をしました。氾濫をしたあとナイル川流域は沃野になり、いろいろな栄養分を含んだ土が残るので、作物が豊かに生育する。ですからエジプトにはある意味ではそれほど働かなくても大きな民族が生きていける有利性がありました。エジプトは大先進文明国であったわけです。

 そのエジプトでパレスチナから逃れてきたユダヤ人たちが、囚われの身になって奴隷として苦しい生活を送っていました。その中でユダヤ人たちはこの苦境から救い出されないものかと考えたようですが、大変頭のいい民族ですから、やがて「宇宙をおつくりになった全知全能の神、唯一神が救世主を遣わしてくれるのだ」というメサイア(救世主)信仰に至ります。メサイアがわれわれユダヤ民族を、特にユダヤ民族だけをこの苦境から救い出してくれるという信仰を発展させたのです。この「ユダヤ民族は他のどの民族よりも優れている。だから救世主はユダヤ民族を救い出してくれるのだ」という考え方を「選民思想」といい、これは後に世界の他の民族から排他的な考え方だと忌み嫌...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎